こちら葛飾区水元公園前通信893

 こんばんは。

 

 梅雨になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 今月のトレッキングは、秩父両神山を予定していたのですが。雨ですねえ。

 次の土曜日も雨かなあ。

 

 ビル・キルディの「グーグルマップ誕生」なんぞを読んでしまいました。いただきものだったのですが。

 スタートアップで苦労して立ち上げ、それがグーグルに買収されつつも、組織文化を守り、グーグルのもっとも成功したコンテンツの1つになっていく。そしてスピンアウトしてポケモンGO、という流れ。

 グーグルマップの裏話というのであれば、まあ、そんなもんか、と。買収されるスタートアップの話は、笑えないところがあって。ぼくはソフトバンクの文化になじめそうになかったので。

 でも、正直、それ以上の話ではないな、と。

 

 ジュディス・バトラーの「権力の心的な生」(月曜社)。とつぜん、バトラーが読みたくなって。でも、難しくって、半分も理解していないです。

 というか、自分の中に落とし込むのに時間がかかるかな。

 最近、#KuTooという運動があって、つまりはパンプスの強制はやめてほしいということ。まあ、ほとんどの場合、かかとの高い靴は必要ないと思うので、葬儀場の職員であっても、強制はダメだよな、とは思うのです。で、これに対し、「好きで履くなら問題ない」という反論もあるわけで、これもその通りだと思うのです。でも、その上で、健康上の問題をかかえながらなお履くというときに、そこには、パンプスが与えてくれるアイデンティティがあると思うのです。ある意味、被支配的な靴をそのように感じる。そこには、バトラーの言う「主体化=服従化」という構造があるような気がするのですが。

 

 ビアンカ・ベロヴァー著「湖」(河出書房新社)は、ちょっとホラーっぽい表紙の、チェコの現代小説です。主人公のナミは、両親が不明なまま、祖父母に育てられています。場所は湖のそばのコルホーズ。とはいえ、湖は汚染しており、干上がっていく。閉鎖的なコルホーズで、恋人がロシア兵に犯され、祖父母を失ったナミは、母親を探しに、町に出ていく。

 何だか、文化大革命時代の中国の小説でもおかしくないような話です。なかなか悲しくなってくる、成長物語です。そこで生きるしかないといえば、そうなんですが。

 

 図子慧の「愛は、こぼれるqの音色」(アトリエサード)は、タイトル作は、短いけれど、オーガズムを記録し再現するコンテンツをめぐる話。AVを見るよりも、快感をそのまま感じるコンテンツの方が、便利といえば便利ですが。悲しくなるセックスの話でもあります。

 そして、主人公を同じくする、ハードボイルドのような「密室回路」という長めの中編。空きビルに、謎の密室があって、という。亡くなった男は、どうしてそんな密室をつくったのか。登場人物のキャラクターといい、うまく構成されているよな、と思います。

 舞台は、洪水でほぼ廃墟と化した東京。近未来SFですね。

 

 坂井恵理の「シジュウカラ」の1巻と2巻。主人公は40代の売れない女性の漫画家。夫は年上の編集者なんだけど、子どもができたあと、最近はすっかり夫にさめてしまって、うっとおしいというか、身体を求めないで欲しいという。そんなところに表れた、20代の男性アシスタント。彼に対して感じること、女性であることを取り戻すという気持ち。とまあ、そんな感じ。40代で、女性としてありたいという。

 「ひだまり保育園 おとな組」とはちがった、どろどろしたところもある話だけど。でも、表と裏というか、保育園では、誰かのママなんだけど、40代になっても、気持ちはそうそう老けることはなくって、女性、あるいは男性なんだよな。いや、ぼくだと「ゴジュウカラ」になってしまうんだけど。まわりが思うほど、オバサンでもオジサンでもない、とは思う。

 この続き、作者が思った以上にどろどろになっているらしいけど、3巻はいつ出るんだろう?

 

 金田一蓮十郎の「NとS」の第1巻。金田一のラブコメって、恋愛の順序が逆だっていうことを、あらためて思いました。

 ここでは、バイト先の喫茶店で男性と出会い、恋に落ちるんだけど、その後、男性がクラスの担任としてやってくる、という。しかも、その話をしに行って、話す前にセックスまでして、それはまずいだろう、と、後で先生も気付くという。

 教師と生徒じゃ、問題になるので、別れようとするんだけど、なかなかそうもいかない。

 正直なところ、おすすめというほどではないのですが。

 

 小野美由紀の「ピュア」という短編、SFマガジンの5月号に掲載されていたのを読みました。女性が男性を食べないと妊娠できないという設定。「メゾン刻の湯」より前、今から3年前に書かれたということですが。設定と女性の造形だけで引っ張ってくれます。まあ、正直なところ、ヒロインが、本人が言うところの“おぼこ”ということが弱いとは思いますが。ちょっと興味ある作家です。

 

 そういうわけで、ドラマ「チャンネルはそのまま」の芳根京子がすごくかわいくって、というか原作の感じがよく出ていて、意外に面白かったりします。

 で、「ぼくたちは勉強ができない」は、武元うるかちゃん推しです。

 

 って、どうでもいいですね。

 では、おやすみなさい。

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