鶴の湯

tenshinokuma2017-02-17

世田谷区の鶴の湯。最寄り駅は東急世田谷線松陰神社前世田谷線は都電みたいなかんじで、好きです。めったに乗る機会がないけれど。
 で、3月3日で廃業するというので、行きました。外観は昔ながらのつくり。
 玄関から脱衣所に入ると、番台に人がいない。お金払えないじゃん。女湯から話している声が聞こえてくる。さすがに、女湯の方に顔を出すわけにもいかない。
 というころで、お金はあとにして、入浴。
 ロッカーの上には、売っているのかな、Tシャツとかネクタイとかその他雑貨とかが雑然とのせてあって、値段がついている。
 この雰囲気は、もう閉店してしまった、葛飾区の堀切菖蒲園あたりにあった福喜湯を思い出す。そこも、店主ひとりで営業して、脱衣所の雑然とした感じが、廃業近い感じを出していた。もっとも、福喜湯の主人、客がいないとすぐに店を閉めるし、雨の日は営業しないし。でも、夕方の近所のおばさんたちの憩いの場だった、そんな銭湯。
 えーと、鶴の湯ですね。浴室はけっこう老朽化してて、ペンキ画もとても痛んでいる。富士山ではなく、女湯との間に緑の山なみが広がる感じ、なのですが。天井には日の丸、というのが謎。薬湯は蜂蜜の香の湯だけど、ちょっとぬるかったので、そこでゆるっとしたあと、白湯であたたまりました。
 脱衣所では、番台にもどった店主が客ではなさそうな男性と話していた。内容は、廃業後の整理、といったところ。
 そこにちょっとだけ割って入って、入浴料を払う。
 何だろうな、終わりゆくお店の歴史に立ちあっているような感じで、残念でもあるけれども、貴重な経験かな。