三枝匡「戦略プロフェッショナル」

tenshinokuma2010-02-08

 今更ながら、読んだのだけれども、理由はというと、ブックオフで105円だったから。親本は1991年刊で、それを文庫にしたもの。
 主人公は製鉄会社にいるのだが、子会社の医療機器・薬品販売会社に出向し、そこの会社の売上げをV字回復するという、ほぼ著者の経験に基づくストーリー。
 実際には、どろどろしたところもたくさんあったのだけれど、本ではきれいごとになっている。
 でも、本質はきれいごとの部分なので、そこは非難するにはあたらない。とはいえ、戦略を考えていくというプロセスよりも、ダメな雰囲気みたいな話のほうが、膝を打つものだったりもする。結局、戦略をつくっても、実際に役立たないということは多いし、そこが、まあ、どろどろしたところでもあるのだろうけど。
 とはいえ、抽象的な書き方をしているけれども、戦略を考えるということは、頭を使うという意味で、したほうがいいとも思う。それができないので、ダメになっている会社というのは、たぶん、ものすごくたくさんあるはずだ。
 戦略を考えるっていうことは、1つずつ、何をどうしたらいいのか、積み上げていく地味なプロセスでもあると思う。出来る限りデータを示しながら。
 きっと、読者の多くはミドルだろうし、そういう読者は、やっぱりうちの会社はダメだけど、自分ではどうにもならないよな、と思っているだろう。でも、それを使う場面というのは、いつめぐってくるとも限らない、とは言っておく。

 サントリーとキリンの経営統合は破談。
 個人的には、モルツが一番絞りに飲み込まれなかったのでいいと思う。
 それはさておき、競合する強いブランドが1つになるというのは難しいとも思った。たぶん、1+1が3どころか2にもならないのではないだろうか。

 写真は、日本アセアンセンターで販売しているお弁当のうち、月曜日のフィリピン料理、トークア&バボイである。豚肉と厚揚げの炒め物だ。味は普通。
 でも、実は食べたのは先週の月曜日でした。