脱原発でもCO2削減

tenshinokuma2012-03-02

今週のお題「卒業」
 卒業といえば、やっぱり原発を卒業してもいいんじゃないか、ということで。
 昨日のセミナーの話だけど、あらためて思ったのは、ドイツと日本では、技術的には大きな違いはないということ。ドイツではゼロエネルギーハウスが実用化されて20棟くらい建つということだけど、その点は日本のが進んでいる。積水ハウス大和ハウス工業トヨタホームパナソニックスマートハウスをせっせと建設している。
 それでなお、ドイツは脱原発して、CO2も減らすというのは、ドイツにとっても簡単なことじゃない。蓄電システムが必要だし、発電所は内陸部の原子力から海岸部の風力にシフトすると、送電系統も整備し直さなきゃいけない。
 でも、ドイツはそれを実行するという強い意志がある。
 そう、日本には強い意志がない、というだけのことなのだろう。
 ドイツの電力会社だって、CO2削減はいやだ。でも、説得してきたわけだ。
 日本がダメなこと。例えば、ドイツには建築の断熱基準がある。たぶん、日本も断熱だけで、けっこうエネルギー消費を抑制させることができるはず。あとはそれをどう実行するか、知恵を出せばいいことだ。でも、出てこない。
 なんて考えると、卒業すべきなのは、ダメな日本ということになる。
 ダメさかげんっていうのは、まあ、もっと根深いとは思うのだけども。
 取材していて、省エネ法の改正の話題になったとき、そういえば資源エネルギー庁の新原省エネ・新エネ部長には、「優秀企業の研究」という著作がある。どういう企業が優秀かといえば、たとえばシマノ。釣り具のメーカーのように思うけど、実は売上げの大半は自転車部品。他社にまねのできない製品を供給している。
 何が言いたいかっていうと、省エネ・新エネ業界に、シマノのような会社はあるのか? あるいは登場しそうなのかどうか。そのことを新原部長にはきいてみたいPV(太陽光発電)EXPOなどを見てきたのだけど、この分野での差別化は、いっきに難しくなったという印象だ。突出するということがなくなってきている。いわゆるレッドオーシャンだ。
 でも、その横に、実はブルーオーシャンがあるんじゃないか、とも思っている。気付かないだけで。でも、横並び主義の日本人には見えないかもしれない。