アスティDOCGとガチンコ勝負

tenshinokuma2009-11-25

 今夜は、イタリアのアスティDOCG振興組合主催のディナー。
 アスティはピエモンテで生産されている甘口のスプマンテ(微発泡性ワイン)。DOCGというのは、まあ、産地や品質がしっかり管理されたものであるということを示す呼称で、最上級ということになる。
 甘口といっても、ほんとうにいろいろなアスティがあって、都会的でクールでソリッドな甘さのものもあれば、田園風景のようなやわらかいぬくもりを感じる甘さもある。フルーティーなものもあれば、ハチミツのようなものもある。
 ということなのだけれど、考えてみると、お酒が甘口のスプマンテしかないディナーというのは、なかなかすごいものがある。当然だけれど、料理も大変だなって思う。ミラノから来たシェフの料理はマグロの刺身(カルパッチョではない!)も小牛のほほ肉の煮込みもおいしかったし、すべての料理にアスティを使っているというのは、日本酒を飲んでいるときに、料理に同じ日本酒を使うみたいなものだけれども、そういうこだわりもあった。
 いちばんすごいなって思ったのは、ショウガを使ったリゾット。〆ではなく、魚と肉の間。このシンプルな料理に、たぶん、この日いちばんおいしいアスティが用意された。濃縮された果実の香りとシャープな甘み。これはアスティのおいしさを堪能させてもらったな、と思うのでした。
 写真はデザート。中にマンゴーのムースなどが入っていて、最後に注射器でワクチン、がなくってソースを入れるというもの。
 甘いものを食べると、アスティの甘さが消えて酸味が立ってくるので、目が覚めるというもの。
 それにしても、こういったワインのディナーというのは、貴重な経験だったし、アスティ縛りのガチンコ勝負というのは、そういうものだと思う。満足感というより、心地良い疲労感を感じるものであった。