「いちえふ」と「美味しんぼ」

tenshinokuma2014-05-09

 福島で話題のマンガといえば、この二つかな。
 「いちえふ」の評価すべきことは、ぼくたちが見ることのない、ということは忘れてしまいそうになる、福島第一原子力の現場で働く人の存在。
 考えてしまうのは、政治性がまったく入っていないことで、その結果として、作者自身は比較的肯定的に現場を描いているにもかかわらず、否定的な印象が残るということ。このマンガを読んで、だれもいちえふで働こうとは思わないのではないか、というレベルではない。
 むしろ、現場の作業員がさまざまなことを知らされていないということ。それが作者にもあてはまっている。
 代表的な部分が、喫煙。作業員はほぼみんな喫煙者。けれども、この人たちがガンになったとき、放射線との因果関係よりも喫煙との因果関係の方が強いのではないか。
 で、「美味しんぼ」。読んでいないので、論評は避けるけれど、たしかにホットスポットだった金町・水元でも鼻血の話は聞いた。ただ、可能性はあるけれど、因果関係は立証されていない。とりあえず、今の放射線被ばくに対する臨床的なものとしては、あるとは言われていない。放射線による直接の影響なのか、ストレスによるものなのか、もわからない。そういうものだと思う。