こちら葛飾区水元公園前通信814

tenshinokuma2014-03-17

 こんにちは、です。
 そろそろ年度末、いかがお過ごしでしょうか。
 こちらは、ようやくPTA会長を退任できる、といったところです。といっても、卒業式の挨拶とかもしなきゃいけないので、まだまだ気が重いのですが。

 最近まで、マックにいると80年代の曲がずーとかかっていて、けっこう懐かしいですね。

 先月の大雪は、大変だった方もいるでしょう。こちらは、お気楽に、水元公園クロスカントリースキーを楽しんだのですが。
 そうそう、雪の水元公園でスキーをしていたら、広場でセーラー戦士のコスプレをして撮影をしている人たちがいました。微笑ましいというか寒そうというか。でも、そういう雪の楽しみ方もアリですね。

 スキーといえば、先月頭には、息子とガーラ湯沢にも行きました。スキーは2年ぶりですが、どうにか滑ることができたので、良かったです。ヘタレ息子は超初心者コースでも転んでいて、もうスキーはしたくないとか。

 「トリック劇場版 ラストステージ」は、娘と見てきました。面白かったといえば、面白かったです。でも、昔の「トリック」のようなばかばかしい大仰なトリックも、ごく初期のホラーな雰囲気もなく、ちょっと物足りないかな。ラストシーンはなかなか素敵です。
 ラストステージということですが、ここはやはり、アンコールを期待したいところです。コメディエンヌとしての仲間由紀江は、やっぱりいいなって思います。

 最近読んだ本といえば、マイクル・コーニイの「パラークシの記憶」(河出文庫)です。Qさん推薦、M野絶賛の「ハローサマー・グッドバイ」の続編、ということなのですが。
 青春恋愛SFであり、ミステリーであり、面白くは読めました。遺伝する記憶といい、キキホワホワといい、アイデアもSFだなあ、と。けれども、やっぱりぼくは青春恋愛SFを素直に楽しめないひねくれものだというのは、しょうがないですね。あんまりボーイ・ミーツ・ガール物が好きじゃないっていか、趣味じゃないっていうか。「ハローサマー・グッドバイ」が好きな人は、この小説も好きだと思うのだけどね。

 いとうせいこうの「未刊行小説集」は、うーん。いとうせいこうって、こういう人だったよな、と納得はできるのですが。芸として面白い反面、小説として「想像ラジオ」ほどは感動させてくれるわけじゃないので。そうだな、昔、いとうのラップを聴いて楽しんでいた、そんな感じかな。同じように「存在しない小説」もそこまで楽しめなかったんだよな。

 あと、残雪の「最後の恋人」(平凡社)も読んだ。これまでの残雪とちがって、意図的に中国なのかどうかすらわからない雰囲気づくりをしていて、なぞの世界の複雑な男女関係が織り込まれていく、それが東西南北に広がっていく、という小説。織り込まれているというのは比喩というわけでもなく、中心にあるのは衣料品メーカーで主要な登場人物はその社長と営業、彼らの妻、ということになるのかな。
 でも、正直、どういう話なのか、うまく説明できないな。短編ならまだ理解できるのだけれども、それが次々とつながっていくと、何がなんだか。さすが、カフカの影響を受けただけのことはある、のかな。
 かつての「黄泥街」が、化学工場で環境汚染された街の話だったとすれば、「最後の恋人」はグローバル市場経済にからめとられた人々、ということになるのかも。でも、人間の本質も欲望も、あまり変わっていない、とも。

 今年も3月11日がきて、過ぎて行ったわけだけれども。
 いろんなことを思うといえばその通りなんだけれども。この大震災に対し、何をしたのかといえば、なかなか考えてしまう。特別、支援活動をしたわけじゃないし。
 あらためて思うのは、3年前のこの日に、「スマートグリッドがわかる」という本の打ち合わせを兼ねたランチを出版社の人としていたことだった。震災とそれによる原発事故は、この本で書くことになることの、時間を早めたと思う。そのわりには、あまり売れなかったのだけれども。
 ぼくは、結局のところ、自分のすべきことっていうのは、原発のことなどについて、自分が書けることを書くことでしかない、と思っている。あるいは、話すこともした。それは、多少は人に届いたかもしれない、とも思っている。
 震災の前年に出した「電力・ガス業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本(第2版)」は、業界本のわりには、電力業界、というよりも原発に厳しかったと思う。でも、それは間違っていなかったな、ということもあって、その後の仕事につながっているところもある。
 3年後の3月11日に、この本の第3版の出版が決まった。これから原稿を書かなきゃいけない。震災からの復興は、ぜんぜん進んでいないということだけれども、そうした状況に対し、ぼくができることは、そういうことなんだと思う。
 どういうことか。時計の針を戻すように、原発を復活させるのではなく、原発をあきらめて、別の方向にイノベーションを促していくことが、大切なんだ、ということを本にすることだ。あるいは、独占的な巨大公益事業を解体することが、本質的な競争を生み出すということを。実際に、電機メーカーなどでも多くの人がそう考えている。
 いちおう、秋までには出したいと思っている。出たら、立ち読みくらいはしてやってね。

 今夜はこんなところで。