JCCP

tenshinokuma2011-01-26

 今日は、国際石油交流センターのシンポ。明日もあるんだけど、まあ、それはいいや。
 ということで、たまには石油の話でも聞こうと思い、参加してきた。

 面白かったのは、イラクのスピーカー。2003年以降、製油所が壊されてしまい、十分な操業ができなかった。でも2008年に戦争が終わり、製油所の計画がある。日本企業の千代田に期待してる、というような話。なかなか泣ける内容だ。
 温暖化防止っていうところから見ると、石油の消費は減るから、いいんじゃないかということになるのだろうけど、急には減らせない。それどころか、途上国では消費が増えているし、このトレンドはまだ続く。そして、省エネや自然エネを推進したりということは必要だけど、十分な開発が進まなかったりしたら、エネルギー不足に陥るので、そのときは石油が必要になってしまう。そのことが、リスクとしてある。
 とはいえ、リスク回避のために油田開発を進めてしまえば、石油生産が過剰になる。それもまた問題。
 価格についても、そもそもIEAが指摘しているように、安ければ開発が進まず、供給がタイトになるし、高いと生産が過剰になる。
 温暖化に戻ると、温暖化対策の技術が進むためには、やはり一定以上のエネルギー価格が必要となる。
 とまあ、そんなこんなで、さまざまな要因を勘案しながら、リスクを避けていくというのは、しかもプレーヤーが多い中では、難しいかじとりをしなきゃいけない、ということか。
 だいたい、70〜100ドルの間で推移させていけばいい、ということらしい。

 中東では製油所の計画がたくさんあるので、日本や欧米の古い製油所の閉鎖は必要だけど、雇用の問題もあるので、そう簡単にはいかないだろうとも。日本はまだいい方で、欧米はドラスティックに閉鎖していくことになる、とか。
 そうは言うものの、そもそも石油ビジネスは、石油を売ってもうけるという単純なものではなくなっていて、例えば上流から下流までのバリューチェーンでいかにして価値を高めていくのか、あるいは太陽光エネルギーの利用など、新しい分野でいかに事業を拡大していくのか、そんなことが問われている。日本の石油会社も、そうしたことを覚悟して、事業展開していかなきゃ、いけないはず。
 だとは思うんだけどね、一定以上の年齢の人にしてみれば、企業の規模が大きいので、現役の間は逃げ切れるんじゃないか、と考えていても不思議ではない。

 というような話も、レセプションでは聞いたりもして、写真はそのときのものなのである。
 石油業界には、知り合いは少ないので、ホテルオークラの料理を食べて、さっさと帰ったんですけどね。