こちら葛飾区水元公園前通信733

 ようやく、本ができました。「電力・ガス業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本」(秀和システム)というもので、「クマによるとこの世界は・・・」に続く、2冊目の単著ということになります。すでにアマゾンでは予約が始まってます。
 まあ、いかにも業界本というタイトルなので、なかなか、読んで下さいとは言いにくいんですけれども、1360円(税込み)と、「クマ」の半分以下の値段だし、書店でも買える本なので、よろしく、といったところです。それと、今回は本名で書いています。
 業界本なんですけれども、あまり他にはないつくりなのではないか、と思っています。というのも、業界に対して、「規制緩和」「地球温暖化」「原子力」「ピークオイル」という4つの問題を解説した上で、各社のポジションと戦略を書いているわけです。
 それぞれ単独の視点から書いた本というのは、けっこうあります。けれども、例えば、あたかも地球温暖化が存在しないかのような供給計画を議論するというのはナンセンスだし、事業展開においてなぜ原子力が問題なのかということもきちんと踏まえておかないといけない、ということです。それに、業界寄りでも環境NGO寄りでもないし。
 ということで売れるといいなあ。
 そうそう、本が出来上がってきて気づいたのだけれど、各社の戦略論を書くにあたっては、実はマイケル・ポーターの「競争戦略論」にけっこう影響を受けていると思いました。とりわけ、地方の競争戦略というのは、きちんと考えておかないといけないっていう。それから、コンセプトとして、「事業の定義を変える」というのがあるのですが、これはフィリップ・コトラーによります。電気やガスを売るのではなく、エネルギーサービスを提供するという視点に立って事業活動を展開しないと、付加価値を高めることはできない、ということなんです。だから、そういう事例として、参考になるところもけっこうある、そういうビジネス書なのではないか、とも勝手に思うわけです。
 それにしても、声をかけられたのが昨年の8月。9月に打ち合わせをして、執筆開始。予定では1月末に原稿が仕上がるはずだったのですが、結果として2月第1週までずれこんで、しかもそれは書き飛ばした下書きのつもりだったものです。それを整理しながら、図版を集め、3月第2週には校了。自分でもものすごいスピードだったと思っていますし、おかげで、この間、こち水をほとんど書いていないわけです。
 けっこう、突っ込みどころ満載ということにはなった気がします。書き漏らしたこともたくさんあるし、ささいな誤認もあるかもしれません。ですが、議論の流れとしては間違っていないはずです。
 それにしても、最後の節のタイトルは「スローライフ」ですから、かなりユニークな業界本だとは思います。地域のリーディングカンパニーとして、高齢化する地域にいかに住みやすい社会の構築に貢献していくのか、というのは、やはり公益事業の付加価値を高めることなのだと、これはかなり真面目に考えていることなんですから。

 町内会のグループ長は昨年で無事に終わらせたわけですが、次は子ども会ということになりそうです。
 23日、子ども会のボウリング大会があり、娘、息子と3人で参加しました。娘も以前よりは重い球を投げるようになったし、息子も誰にも手伝ってもらわずとも、自分で球を投げられるようになったので、けっこう成長したものです。
 ぼくはというと、久し振りなので、1ゲーム目はさんざんで、どうにか101点という3ケタのスコアにしたわけです。2ゲーム目は思った通りのコースで投げられるようになり、第8フレームまでは、ミスがありませんでした。
 さて、ゲームの合間にまわってきたのが、あみだくじでした。次の子ども会の班長を決めるというものです。まあ、話し合いで決まるものではないので、それはいいと思ったのですが、どうも話が違うのです。「班長ではなく、もっと上の役員をやりませんか?」「へっ?」「いや、今までの役員の子どもが卒業しちゃうので、他にやってもらえる方を探しているんです」「いや、急に言われても、ちょっと考えさせて下さい」「じゃあ、1分間だけ」「それは短い。とりあえず、ゲームを続けてきます」
 もちろん、1分で決断できるわけもなく、ゲームはどうにか終了しました。結局、第9フレームでは1本を残し、第10フレームでは1投目こそストライクだったものの、2投目はスピリット。スコアは194点でした。200点くらいは超えてみたかったとも思いましたが、多分、これまでのぼくのボウリングの記録の中でもベストスコアでしょう。ここのボウリング場は3月30日で営業を終了させますから、いい思い出になりました。
 しかし、全体でいうと、1ゲーム目との合計ということになるので、まあ、たいしたことないですね。
 みんなゲームが終わり、次は食事会ということで、ボウリング場に併設されているレストランでカレーライスを食べ、6年生には卒業祝いが渡されました。そして、結果発表。うちの息子は女子の最下位ということで賞品をもらっていました。名前のせいか、息子も娘もいつも性別が間違われてしまうのですが、まあ、役員の方が、めんどうなので賞品を受け取って下さいということで、もらっておきました。かわいいお弁当箱なんですけど、本人はけっこう気に入っているみたいです。
 で、大人の1位がぼくでした。一瞬、信じられませんでした。いくら2ゲーム目がいいスコアだったとして、1ゲーム目はダメダメでしたから。で、これははめられたな、という。いや、本当は違うのかもしれません。けれども、1位をもらっておいて、役員を引き受けないという選択肢はないだろうな、という。まあ、そういうことです。もちろん、役員が大人の部の入賞の対象外というのはあるでしょうし、それにしても、です。ぼくはありがたく、賞品である映画「ライラの冒険」の親子チケットをいただきました。そして、帰り際に、ちょっと話を聞いて、「では、お手伝いさせていただきます」ということにしました。
 来年度から、息子も小学校に入るので、二人もお世話になるわけですから、ちょうどいい機会だとも思いましたし。
 で、映画のチケットはというと、かみさんが娘と行くことになりました。

 いちおう、書いておくのですが、子ども会に入ると、いつかは役がまわってくる、ということから、入るのをためらうということがあります。かみさんは役ができないなら入るべきではない、という立場です。
 けれども、ぼくは子ども会にせよ町内会にせよ、とりあえず入ってもらったほうがいいと考えています。そうではないと、地域コミュニティというのは成り立たないし、そもそも最低限の会費さえ払っていただければ、どうにかなるものだと思うのです。地域コミュニティがあることで、地域で暮らしやすくなればOKなのですから。あるいは、安心できれば、ということです。

 この3月は、リービ英雄ばかり読んでいました。「越境の声」「我的中国」(岩波書店)に「ヘンリーたけしレウィッキーの夏の紀行」「国民のうた」「天安門」(講談社)という具合です。そして、ニューヨーク在住36年になる人の原稿を編集するという作業をしていて、とにかく、日本語に距離ができる、というそんなこともあったわけです。
 リービ英雄のことは、トーキングヘッズに書くつもりです。