こちら葛飾区水元公園前通信840

tenshinokuma2016-02-21

 こんにちは、です。
 もう2月の後半です。
 まあ、いいんですけど。

 えーと、宣伝から。
 2月22日発売の「週刊エコノミスト」で、久しぶりに原稿を書きました。「電力自由化2.0」です。
 実は、自由化については、あちこちで語っていて、最近では、三菱UFJニコスの情報紙「partner」や、女性誌「パンプキン」、それに「FLASH」にも登場したりして。
 送られてきた「FLASH」の袋とじは、開けていません。って、言ってみたりもします。
 まあでも、いちばんメジャーなのが、この中では「週刊エコノミスト」なので、見てやってください。
 いずれにしても、わりとまともなことを話している、書いているつもりなので。価格競争には批判的ですから。

 えーと、本の話など。

 原田宗典の久々の小説「メメント・モリ」を読みました。
 原田は覚せい剤所持で逮捕されたあとの復帰作っていうことになるのですが。そのあたりのことが書かれています。ただし、時系列的な書き方はしていません。何かにからめとられていくような、そんな感じで横たわっているっていうのでしょうか。エピソードごとに、きちんと結末があるわけでもないし。
 原田はこれまで、さんざん自分の父親のだめさかげんを書いてきたし、それで学生時代に苦労もしているわけですが、それがめぐりめぐって、自分がダメ父親になっているというあたり。何というか。家族と分かれて一人暮らしだって始めてしまうし。
 ということで、死を忘れず、再生する、そういう作品になっているわけです。それは、一度落ち込んだ人間だから書ける、というものでもあるのかもしれませんが。
 そのわりには、気取った書き方をしてしまうあたり、変わってないな、とも思いました。

 カレン・ラッセルの「レモン畑の吸血鬼」。ラッセルは好きな作家なので、本屋で見かけて即買い。
 話そのものは、非現実的で、表題作ではイタリアのレモン畑で血をすするかわりにレモンをかじっている吸血鬼夫婦の倦怠期みたいな感じがあって。でも、そういうのって、非現実的な設定によって、現実的な感覚が増幅されていくっていう、そんなものになっていると思います。そこが、すごくリアルに感じられるし、それがラッセルが好きな理由かもしれません。
 日本を舞台にした作品もあります。女工哀史という話なのですが、女性は機織りどころかカイコにされて糸を吐きだすようになるという。ほぼ、ホラーですね。

 マーカス・デュ・ソートイの「数字の国のミステリー」は、ミレニアム問題を含んだ、数学の先端の話題をものすごーくわかりやすく楽しませてくれる本。
 「シンメトリーの地図帳」にくらべると、ちょっと深みに欠けるかもしれませんが、その分、いろんな話題が語られているので。そこは好き好きですね。

 まあ、そんなこんなです。