中国経済審査報告書2010年版

tenshinokuma2010-02-05

 今日は午前中は、OECD東京政策フォーラムに参加してきた。
 テーマは、中国経済の現状と課題である。
 
 内容は、経済危機があったけど、ちゃんと成長はしている。でも、金融市場の開放とは、労働市場規制緩和とか、まだまだだね、という。
 ポイントの一つは、人民元だ。ここ数年、ドルペッグで無理がきているが、切り上げは必要だし、悪性のインフレ対策にもなる。ただし、日本が経験したプラザ合意のようなものはマイナスなので、2005年から2008年まで続いた、年率7%程度でいいのではないか、というもの。
 また、中国が経済危機を乗り切った背景には、内需拡大策というのがあるが、これを進めていくには、高い貯蓄率を下げていかなきゃいけないという。そのためには、社会保障をきちんとすること。まあ、年金や医療保険がしっかりしてれば、貯金は少なくても安心、ということ。その制度改革は少しは進んでいるけど、というところだ。
 あとは、地方との格差をなくすため、教育なんかにも力を入れ、脱農業で生産性を高めないと、とも。
 こう書くと、40年前の日本の問題と現在の日本の問題が、人口にして10倍の規模でやってくる、というイメージですね。しかも、日本がかつて成長したような市場の10倍規模ということは有り得ない。政策担当者にとって、かなり困難なことだし、だからこそ人民元の切り上げの決断も容易にできないよな、とも思う。

 そうであっても、というか、そうだからこそ、日本ができることって、けっこう多い。
 日本のプラザ合意での経験に基づいた処方箋はあるだろう。また、中国より一足先に高齢化しているという経験もある。
 これはそう単純なことじゃなく、内需というコンテクストの中で、豊かさというのをどこに求めるのか、という議論にもつながっていく。本音を言えば、人民元をさっさと切り上げて、購買力を上げて、日本製品を買って欲しいし、その結果として、豊かさが感じられるようなプログラムを考えていくということにもなっていく。
 さらに、年金制度は、互いの経験交流ができる分野でもある。医療制度は米国と経験交流することもできるだろう。
 米国も、台湾に武器を売っている場合じゃない、だろ。その点、日本はまだいい。

 それから、中国は大きすぎるという問題もある。こうしたとき、台湾、チベットウイグルを分離し、別の経済ブロックに置くということは、有効なのではないか、ということも提言していいのではないだろうか。台湾が実質そうであるように、それを認めつつ、都市部より貧しい農村部を別に考えるというプロセスの中で。
 農村部が貧しくていいということではないけれど、OECD諸国に対して農村が多いことも起因して、中国全体が平均して貧しいと見てしまうと、すでに先進国並になっている都市部の状況を見誤る。
 その上で、農村部には、別の処方箋を考えていけばいいと思う。それは、日本の地方と首都圏との格差はもっと小さいから、同じような違うようなことを考えていかなきゃいけないことに対応している。

 本当に、中国の経済政策の舵取りはたやすいことじゃないと思う。でも、だからこそ、手伝えることでもある。

 ということで、写真は昨日のランチ。カルビとサイコロカルビのハーフ&ハーフ。でも、サイコロカルビはなかなか焼けないし、食べてもカルビのが美味しい。ということで、注文を失敗した。

 なお、今日の昼食は、新橋駅近くのホルモンラーメン。1日から5日(今日)まで、100円だった。

 石川雅之の「純潔のマリア」1巻を買った。