こちら葛飾区水元公園前通信738

tenshinokuma2008-06-10

 何だかあっという間に6月になってしまいました。梅雨ということでうっとおしい季節ですが、でもまあ、雨がないと生き物は潤いませんから、それはそれとして、楽しみたいと思います。

 この土日は、海の近くで遊んでいました。
 土曜日は友人Aと息子の3人で葛西臨海水族園に行ってきました。昼食はペンギンの食事、と称して、タコやキビナゴ・マメアジのから揚げなんかを食べたりもしましたし。
 今回、水族園で新たな発見がありました。ヤマベ(オイカワ)にエサをやるのはけっこう楽しい、ということです。
 実は水族園はメインの建物を出ると、右手に淡水魚を展示しているスペースがあるのですが、そこの道には小川があって、ヤマベなんかが泳いでいます。普通はまあ、泳いでいるなあ、なんてのんびりと眺めたりするわけですが、ふと、足元を歩いているアリをつまんで小川に入れたら、ヤマベがあっというまに食べてしまいました。それもほとんど飛び跳ね気味という感じで、コイにエサを与えるのとはまた違った感じです。
 そんなわけで、ぼくと息子はせっせとアリをつかまえては、ヤマベに食べさせていたわけです。でも、こんなところを水族園の人に見つかったら、怒られるだろうな。まあ、屋外にいて、たいしてエサを与えなくてもいいんじゃないか、という中にいる魚ではありますが。

 日曜日は出版健康保険組合のイベントで、木更津に潮干狩りに行ってきました。出版健保といっても、かみさんのほうの関係です。
 なんか、せっせと娘とアサリをとっていたので、海の多様な生き物を楽しむ、というところまではいかなかったのですが、でもなんか、いろんな生き物はそれなりにいて、楽しかったです。帰ってから、アサリの砂抜きは大変だったし、結局あまり抜けていなかったりもするわけですが。
 4人で5キロくらいとったので、すでに食べきれないくらいなのですが、月曜日の夕食はボンゴレ・ロッソになっていました。

 過去形なのは、ぼくが家に帰るのが遅かったせいです。
 で、どうしてかっていうと、関わっている出版社の仕事をしていたからです。
 仕事といっても、本をつくっているわけではないのです。実は、無能な経営者のおかげで、ただでさえ出版不況なところに、さらに経営状態を悪化させているわけで、それでもどうにかやっていこうと、社屋と連帯保証人である社長の自宅を売却して乗り切ろうとしているわけです。
 とはいえ、無能な経営者のうちの社長は退任するというし、もう一人の役員も何を考えているんだかさっぱりわからないまま、状況は悪化していくわけで、しかたがないのでぼくとしては、会社を採算性のある事業会社と債務管理会社に分割し、このまま清算・廃業よりはずっとましな状況、継続する事業そのものでは、新しいわくわくするような展開ができるようにする、ということなのです。
 普通の会社であれば、無能な役員のいる会社にさっさと見切りをつけてしまえばいいのですが、出版社はそうではないと思うのです。というのも、これまで多くの本を出してきたわけだし、その著者も読者もいるわけです。何よりぼくはこの人たちを裏切りたくないのです。
 そういうわけで、辞めるのはぼくではなく、役員である、ということでやっていきたいと思っています。
 9日には弁護士・司法書士を交えて、可能性を検討してきましたし、次はこれに会社の債権者をどう巻き込んでいくのか、ということになっていきます。
 とにかく、瀬戸際でいろいろと楽しませてもらっています。
 そういうぼくが、フルタイムスタッフではないというのが、またわけがわかんないということなのですけどね。

 6日の金曜日には、田町にあるワインブティック ル ヴァン ヴィヴァンでオーストリアワインのユルリッチ・ソンホフというあたりの試飲をしてしまいました。一番おいしかったのは、一番安いワインではなかったか、などと思ってしまう自分が情けないのですが、グリューペというスパイシーな白ワインはなかなか爽やかな感じでよかったです。
 プラティン・リースリングは、ちょっと青臭い感じがして、それを生き生きとしていると表現したらそうなのかもしれないけれども、というところです。
 グリューナー・ヴェルトリーナー・ロイザーベルグは、微妙なキレと少し複雑な味わいっていうのかな、それが純米吟醸酒を思わせます。微生物系の微妙さっていうんだろうなあ。舌に少しからまってくる。それを吟醸酒ではけっこう楽しんでしまうところなんだけれど、ワインはどうなんだろう。
 ソーヴィニヨン・ブランはほんとうにフローラルな香りだったんだけれど、味がシンプル過ぎ。
 1997年のリースリング・アルテレーベンは熟成しすぎて、バランスを崩してしまったかもしれません。朽ちた感じがしていて、それはそれで楽しめるものだとも思いますけど。
 むしろ2000年のシャルドネ・バリックがうまく樽熟していました。もっとも、シャルドネそのものはもっと若飲みできるはずだとは思うのですが、それでもバランスが良かったです。
 唯一の赤ワインのツヴァイゲルトはしっかりした主張のあるワインだったのですが、そこが気楽に飲むにはきついかなあって思いました。
 たぶん、一番面白かったのは、2003年のグリューナー・ヴェルトリーナー・シュピーゲル。複雑な味わいは、森のイメージ。けれども、爽やかな森というよりも、森そのものの湿気があって、キノコがたくさん生えている、そんなイメージです。こうした微生物を思わせる複雑な味は、ロイザーベルグと共通していると思うのですが、何よりこちらのほうがうまくまとまっているというか、多くを語りかけている、そんな気がするのです。だから、舌の上で感じることの一つ一つを丁寧に楽しむこと、そういうことができるワインでした。
 その点、2002年のツェーヴィンガー・ハイリゲンシュタイン・リースリング・レゼルヴは、力強さのわりには、何か語りかけてくるものが不足していたと思いました。同じ森でも、周辺の潅木地帯っていうのかな、ちょっとドライなところがあり、シンプルにまとまっている。その分だけ、力強さがかえって邪魔になっている、そう思いました。

 とまあ、久し振りにワインの試飲をして、コメントなどもしてみたわけです。

 仕事の関係で、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部編「いかに「時間」を戦略的に使うか」(ダイヤモンド社)を読んでしまいました。
 時間の無駄はなくしましょう、っていうだけの話じゃないんですけどね。最後の章に登場した、タイムベース競争の再検討で成功した企業として登場した第一家電は、すでになかったりします。なかなか難しいものです。