政治的思考と経済的思考

tenshinokuma2007-11-13

 ずっと思っていたことなんだけれど、人と人が交渉するとき、この二つのタイプがあるってずっと思っていた。
 そして、往々にして、一方の考え方をする人が、常にそれが正しいと思っていると、周りの人間はとても困る。

 これって、単純に言えば、「ゼロサムゲーム」の交渉に長けているか、「プラスサムゲーム」の交渉に長けているか、ということ。
 例えば価格交渉の場合、もはや「どちらが限られた利益を受け取るか」という交渉だから、ゼロサムゲームになるわけです。これが政治的交渉というやつです。ですから、ギリギリまでのハードな交渉になるということも覚悟する必要があるわけです。
 一方、事業提携の交渉の場合、どうすればお互いの利益が最大化できるか、ということなので、プラスサムゲームになるのです。そうすると、互いに歩み寄って、知恵を出し合って、最適な提案をしていく、ということが求められるわけです。

 これは、どちらがいいか悪いかということではないのです。ただ、それぞれの思考パターンを尊重しないと、苦労するよな、ということです。
 つまり、上司が政治的思考パターンの人で、事業提携の話なのに、ゼロサムゲームのような交渉をしていると、なかなか仕事が進まずにスタッフはいらいらするし、価格交渉であっさりと相手の土俵に乗ってしまうっていうのもどうか、ということです。

 で、実は日本の組織では、政治的思考をするハードネゴシエーターが尊重されてきた、とも思うのです。それはそれでいいのですが、その結果として、ビジネス機会をどれだけ喪失してきたのか、その部下はみんなよくわかっているのではないか、と思うわけです。
 実は、価格交渉も経済的思考でもいいのか、とも思うときがあります。こちらが必要とする価格で提供してもらえるのであれば、それ以上無駄な交渉をせずに、ビジネスを早く展開していったほうが、利益が大きいと感じることもあります。

 とまあ、そんなことを突然書いたのは、ぼくの経済的思考と別のスタッフの政治的思考がかみあっていて、けっこういいかな、と思っているからなんですけれど。というか、その前はかみあわずに苦労したことがあったもので。

 というわけで、プラスサム思考で、いろいろとアライアンスを模索しながらの毎日です。

 今日はケズメリクガメの写真です。息子は背中に乗せてもらったらしい。