Matteo Collaイタリアワイン

 今年の夏ごろ、血糖値が上昇し、HbA1cが7.5%とかになっていた。血糖値というよりも、これは糖化ヘモグロビンの割合で、通常は5%台。6%を超えると糖尿病といわれているけれど、6%台なら薬はいらない、と医者に言われていた。まあ、食事に注意して適度な運動をしていればよかった。でも7%を超えると、治療が必要ということになる。そこで、薬を飲み始めた。
 最初に飲んだのがデペルザという、SGLT2阻害薬。血中の糖は腎臓で排出されるのだけれど、同じ腎臓で尿から再吸収される。でも、この薬は再吸収を阻害し、糖を尿から排出してくれる。副作用としては、倦怠感と、尿路で糖が増えたことによる感染症がおきやすくなること。この薬を飲んで、1か月で体重が3kgくらい減った。
 でも、これだけではHbA1cが十分に下がらなかったので、エクメットという薬も処方された。これは複合薬で、DPP-4阻害薬・ビグアナイド薬配合剤となっている。インスリンの分泌を促す薬と肝臓からの糖の排出を抑制する薬が組み合わされている。でも、この薬はさらに倦怠感がひどくなり、飲むのをやめることにした。
 医者と相談し、食事と筋トレをすることで、薬をやめてみる、という選択をした。食事は夜は炭水化物を抑制すること。そして、筋トレで筋肉をつけること。筋肉は糖分を代謝してくれるので、寝ていても血糖値が下がる、ということだ。
 ということで、10月から開始。メニューは、週4日の腹筋運動と週1~2回の全身筋トレ、週1回の水泳、ときどきトレッキング。毎日最低でも1万歩は歩く。
 結果、HbA1cは6.5%に低下、とりあえず薬は飲まないということになった。
 あ、でもコレステロールの薬と血圧の薬は飲んでいます。
 というわけで、血糖値が下がったから、というわけではないけれど、ワインの試飲会へ。ここから先が、本題の試飲レポートです。
 イタリアのピエモンテ州のワインを中心に、10か所のワイナリーから合計30本を試飲しました。
 写真の1~3が、CASCINA MASSARAというワイナリーのバローロネッビオーロというブドウ品種です。2021年のまだ若いワインでも、何となく枯れた感じがするのですが、写真の3のBarolo DOCG Massara 2017は、そうした中にあっても甘い香りが際立っていて、ほどよい渋みが気持ちよく攻めてくるワインでした。
 TERRE DI SARIZZOLAというワイナリーのビオワイン、写真の10~12ですが、素晴らしかったのは、12の”Biancornetto"Colli Tortonesi Timorasso DOC 2020です。ほぼパイナップルのような甘みと酸味を持った白ワイン。といっても、ベタベタに甘いわけではなく、中口レベル。それでも果実感がはんぱない、インパクトあるワインでした。ブドウの品種はティモラッソ。
 AZIENDA ZOPPI CRISTINAというワイナリーのビオワインは、この日の一番の収穫かも。番号でいうと、13~15だけど、どれも微妙にユニークです。
 13のRuche di Castagnole Monferrato DOCG 2021は、最初に口に含むと、あずきのようなほっこり感があります。その先に果実味があって、不思議なバランスです。たぶん、比較的リーズナブルな価格だと思う。14のGrignolino d'Asti DOC 2021はアンズのような味わいかな。こちらはブドウ品種はグリニョリーノ。15のBarbera d'Asti DOCG 2022のバラを思わせる香りとバランスのいい渋みでいかにもワイン、という感じも良かったのです。
 CANTINA LAVIGNOLIというワイナリーも良かったです。16のValpolicella Superiore DOC 2021は、最初に立ち上がる香りがミント。このインパクトで最後まで引っ張ってくれます。軽く乾燥させたブドウをやわらかく絞って果汁を採取しているとか。17は熟成を伸ばしたValpolicella Superiore Ripasso DOC 2021で、香りよりも舌の上にじわじわと味わいが残ってくるワイン。さらに18のAmarone della Valpolicella 2019になると、味わいも香りも問答無用に強力なのだけれど、3か月も乾燥させたブドウからつくっているし熟成もしているのでなるほどって思う。
 会場にいた高齢の方がイチオシしていたのが、TENUTA ANTONINIというワイナリーの30番の"P.121" Montepulciano d'Abruzzo DOC 2021というワイン。一言でいえば、濃い。味わいが濃厚で、ずっしりきます。渋みがバランス良く、果実味は抑えられているけど、薄っぺらい感じがないっていうのかな。わかりやすいワインです。
 この他にも、SGUARDI DI TERRAのビオワイン、"Inlari"Lugana Brut Metodo Classio BIOのちょっと固めの泡とかも楽しかったし、CASTELLO DI UVIGLIEというワイナリーのワインは、なんだか畑の土のぬくもりを感じさせるような味わいでした。
 こうしてたまに、ワインのテイスティングをしていると、自分の感性のキャリブレーションができるような気がします。