八枝神社

tenshinokuma2014-03-11

 吉祥寺、成蹊大学の近くにある神社。
 3年前の今日は、「スマートグリッドがわかる」という本の執筆の打ち合わせを編集者としていた。その本の内容は、震災の影響を受けた。あまり売れていないけれども。
 でも、あらためて思うのは、原発が止まったことで起きたイノベーションは、確実に大きなものがあるということ。
 たぶん、こうしたイノベーション地震がなくても、少し遅れて起きたと思う。だから、震災は100%ないほうが良かった。それでも、起きてしまったし、時計の針は進んだ。
 震災に対して、たいしたことはしなかった3年間だけれども、ぼくはぼくの仕事を通じてしか、意義のあることはできない、そう思ってきた。だから、これからもその延長ということになる。
 ぼくは、ぼくに与えられたことを通じて、少しでも意義があることをする、それがベストだと思っている。
 その3年後の今日、「電力・ガス業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本」の第3版の企画が正式に決まったという連絡を受けた。これから書かなきゃ、と思う。
 特別、反原発とか原発推進ということはない。でも、公平に見ても、原発をゼロにしたほうが、イノベーションはこれからも促進されると思う。原発を売るよりも、エネルギーシステムのシステム輸出をしたほうがいいとも思う。地域独占の巨大公益事業会社は市場をゆがめているので、そこは変えて行かないと、消費者のためにならないとも思う。
 もう1つ、大事なことは、この国がまともな政治を行なえる主体を失ってしまったということだ。
 かつての民主党への政権交代は、「うんこ味のカレーとカレー味のうんこのどちらがいいか」を選ぶものだったと思う。自民党=カレー味のうんこに対して、人々はさんざん、やっぱりうんこはだめだよな、と思って民主党=うんこ味のカレーを選んだ。でも、カレーなのにうんこ味には耐えられなかった。そこに出てきたのが、復活した自民党だった。新しい自民党は、うんこ味のうんこだった。でも、本物の、いつわりのないうんこである。カレーだってだまそうとしていない、正真正銘のうんこである。2年前の総選挙で、人々は、とにかく本物だったらいいや、といって、自民党=うんこ味のうんこを選んだ。そして、それはほんとうにうんこだった。それが、現在だと思う。ぼくたちが反省しなきゃいけないのは、うんこ味のカレーをカレー味のカレーに育てていく努力をしなかったことだ。ぼくたちが必要としていたのは、カレーであって、うんこではなかったはずだ。なのに、うんこ味のカレーしかなかった。だったら、シェフに文句を言って、つくりなおしてもらえば良かったのだ。少なくとも、カレーはできる。でも、それをしなかった。シェフをクビにして、本物のうんこをつくってくれる新しいシェフを雇った。
 今、この国には、カレーをつくろうという政治家は、ほとんどいない。うんこをカレー味にすることばかりを考えている、そんな人たちばかりだ。それが、今の日本なのだと思う。
 東日本大震災は、3年前の出来事ではない。今もまだ続いている、大きな災害なのだと思う。