事故調と原子力規制委員会人事

tenshinokuma2012-07-31

 写真は原発ゼロの会による国会エネルギー調査会(仮称)。昨日は、国会事故調の黒川委員長や政府事故調担当者などからのヒアリング。そして原子力規制委員会人事について。
 黒川氏は福島原発事故は人災だと言い切ったし、これから先については国会に投げたので、国会で実現してほしいという。国会議員にしてみれば、脱原発派が多数とはいえない状況で、心もとないという感じで、もっと黒川氏の意見を引き出したかったのだろうな。
 人災の理由の一つは、ガバナンス。結局のところ、行政は電力会社を規制しきれなかったし、この行政を立法府である国会は監視しきれなかった。だから、きちんとやろうね、ということを国会事故調は提言しているわけなのに、原子力規制委員会の人事は、そのガバナンスがまるできいていない、原子力ムラの人を「反省しているから」ということで任命しようという、そういう政府案だったりする。だめじゃん、ということ。
 そして今日なのだけれど、菅前首相の記者会見。口では、脱原発といい、脱原発基本法を制定する運動をしたいという。確かに、原発事故当時の菅氏が考えていたことは、それこそ事故が拡大すれば首都圏3000万人を避難させなくてはいけないし、石棺をつくるために、死ぬことが確実な命令をしなきゃいけないかもしれない状況にもなったかもしれない。それはリアルだし、だからこそ脱原発だというのは、すごく説得力がある。当時の菅氏の対応は、批難もされているけれども、背負ったものの大きさを考えるとそれは酷だとも思う。
 それでも、前首相というよりは、もっとスケールの小さな一政治家として、国民運動を通じて脱原発法という発想、あるいは野田政権に対して脱原発は変わっていないと擁護しつつ、自民党野田派と化した民主党を守ろう、そこにしがみつこうという発想は、政治家として終わった感がすごく強かった。元首相なのに、官邸前のデモに参加する鳩山由紀夫氏の方が、まだ元気だって思う。
 そんな菅氏だけど、野田首相よりはまだマシだというところが、さらに暗い気持ちにさせる。そして、野田首相を支えている自民党はそれ以下だっていうのは、本当に絶望的だ。
 解散総選挙をしたところで、脱原発の意志を示すことができるとは限らない。それこそ、日本共産党しか選択肢がないかもしれない。東京第17区はどうだろう?
 そんなことを考えていると、もっと暗くなるので、「じょしらく」を見ることにする。