こちら葛飾区水元公園前通信677

 昨日も雨。小雨のときに、子供たちとプールに行ったくらいしかできなかった。
 今日も雨。この雨の中を、息子を保育園に連れて行かなきゃいけないんだよな。

 ということで、土曜日は娘の小学校の音楽会。「パフ」を笛で演奏し、音楽劇「モチモチの木」をやってくれたのでした。あばれんぼうの息子がいるので、娘の学年とその直前の学年の演奏しか見られなかったけれども。でも、とにかく演奏もセリフもきちんとできたので、よかったよかったということでした。ぼくは楽器が苦手だっただけに、なおさらそう思う。

 そんなわけで、水曜日は保護者面談の予定。

 村井弦齋の「食道樂 春の巻」(オンブック)を読んだ。現代語訳は亀田武嗣。1903年(明治36年)に報知新聞に連載された小説である。現代語にしてあるので、この上なく読みやすいというところに、訳者の努力が感じられる。というか、訳者自身、食べることが好きっていうのは、すごく重要なのだけれども。
 で、内容はというと、あきれるくらいくだらない。でも、そこがいいのだ。いきなり胃吉と腸蔵の会話からはじまる小説は、ひたすら食い意地のはった若者が主人公。郷里で従姉妹と結婚されるのを恐れて、友達の妹で料理上手な女性と結婚しようとするのだけれども、という展開で、とにかくいろいろな料理が出てくる。健康にまで気を使っていたりして。明治時代、タピオカだってあった。読んでいるだけで、お腹が一杯になる。
 というわけで、話のすじはともかく、当時の食生活のある部分を描写したという点では、貴重な文献ということになる。けれども、あまりにもあんまりな話の展開は、それはそれで捨てがたいですね。

 ブライアン・スティブルフォードの「プロミスト・ランド」(サンリオSF文庫)も読んだよ。グレンジャーの冒険の3冊目。これで半分だな。
 アンガス・マッキーの表紙がすごくきれいなのだけれども、だからといって、かんむり白鳥号が活躍するかっていうと、それはちょっと違っている。むしろ、異なる星の異なる生命というものに力が入っている。まあ、スティブルフォード自身、生物学を専攻していたからな。「ラプソディ・イン・ブラック」(ブルーじゃなくて、ブラックね)でも、暗闇の異様な生き物が焦点だったし。今回は思考パターンの異なる異星人の謎をとくというところにある。巨大クモに襲われたりして、冒険というのは間違っていないけれども、まあ、そういうことで。

 ようやく、ジョン・アンダーソンの「アニメーション」がイギリスから届いた。2週間かかったな。1982年の作品。全体が音がつぶれた感じがして、いい曲もあるのだけれど、全体として見るとちょっとバラエティが少ないという印象。その前に出された「七つの詩」のほうがメリハリがあったな、と思っていたけれども、まあ、それは変わらない。その一方で、「オール・ゴッズ・チルドレン(All God's Children)」のような大切な曲も収録されているし、曲としては、すごく感じるところがあるという作品でもある。「アニメーション」も娘が生まれたことがきっかけだし。
 ボーナストラックは「ザ・スペル(The Spell)」と「スパイダー(Spider)」の2曲。「ザ・スペル」は、この作品の元になった演奏の録音。企画を立てたけれど、うまくいかず、録音していたカセットもどこかにいってしまっていた。それが出てきたので、収録したという。そこにはジョンの想いがいろいろつまっているというもの。曲としてのまとまりよりも、アイデアをつめこんだ11分なのであった。「スパイダー」はシングルカットされた「サレンダー(Surrender)」のB面。昔、黄道には13個目の星座「クモ座」というのがあったという。そういう話らしい。って、この話について、ジョン・スラディックも本を書いていた気がする。
 昔はよく聞いたレコードだったけれども、CD化されていなくって、10年ぶりくらいに聞いたのではないかな。かえって、なつかしいというより、新たな発見があったりする。まあそれも、本人による曲の解説があるからなんだけれども。

 「リアル」の6巻。おとうさんも大変である。