こちら葛飾区水元公園前通信657

 トーキングヘッズ叢書の新刊が出ました。27号は「奴隷の詩学」、マゾヒズム全開です。
 沼正三インタビュー(「家畜人ヤプー」は100ページ以上読めなかったけど)とか、卯月妙子インタビュー(「ウンゲロミミズ」を見たいかと言われたら、ちょっとヤダけれど)とか、今回ももりだくさんです。ぜひとも、今回もご購入のほど、よろしくおねがいします。
http://atelierthird.jugem.jp/?cid=8

 昭和天皇靖国神社A級戦犯を合祀したことに対し、不快感を感じていたという。そういうニュースが流れていた。
 このニュースを読んで、昭和天皇の不快感って、「目くそ、鼻くそを笑う」みたいなもんだなあって思ったのはぼくだけだろうか。
 朝日新聞はけっこう、皇室寄りの記事を掲載してきたし、今回もそのポジションにある。8月15日を前に、こうした記事が掲載されることは、どのような意図があるのか、いろいろな憶測できるというものだ。
 そもそも、昭和天皇がそんな不快感を感じることをそのものが問題だと思っている。最も重い罪を背負っているはずの人間が、そんなことを言っていたとしたら、A級戦犯も浮かばれない。偽善的な平和を愛する心で、どれほどの人が救われ、彼の罪が軽くなるというのだろうか。
 これは前にも書いたけれど、靖国神社A級戦犯を合祀することそのものは、問題ではないと思う。というのも、一つはそれは靖国神社の宗教団体としての判断であり、とやかく言うことではないということ。それから、人は死に方によって差別されるべきではないということ。戦死者の中に、生きていればA級戦犯として罪を問われた人間がどれほどいるのだろうか。だがそれは罪に問われることなく、靖国に奉られている。また、東京裁判の判決によって死刑に処せられたとして、それはやはり戦争の延長上の死であると思う。だとすれば、靖国神社に合祀することには、一定の合理性がある。
 ただし、そうした宗教にぼくはくみしないし、政府の要人がそうした宗教を支持することは、周辺国家にとって不快であることは、想像するまでもない。
 小泉や安倍が靖国神社を参拝することを止めることはできない。それは、宗教の自由を保証する上では、束縛されるべきものではないからだ。だが、そうした行動に対し、小泉も安倍も責任を持つべきである。そうした責任をとることができない人間を首相として抱えてしまうということは、多くの人にとって不幸だということになる。

 実相寺昭雄の「ウルトラマン誕生」「ウルトラマンの東京」(ちくま文庫)を続けて読んだ。前者は「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」での撮影の裏話を通じて、特撮の秘密なんかを書いたもの。実相寺が監督をした話にほとんど限定されているのは、ちょっと物足りないけれども、あらためて子供とともにウルトラマンを見るときの楽しみが一つくらいは増えるものでもある。
 「ウルトラマンの東京」は、一転して円谷プロ周辺やロケ地を通じた当時の東京の話。確かに、「ウルトラQ」以降、そこには過去の東京の姿が残っているし、そういう意味ですごく面白い。ウルトラQのある話は、出稼ぎで東京に出てきている父親を探しに来た少年を中心にした物語だったけれど、なんか上野駅の姿がすごくなつかしかったりする。ウルトラマンではガバドンの話のようには、今の子供は公園でらくがきなんかしていない。
 もっとも、「ドラえもん」ではいまだに空き地に土管があったりするんだけどね。

 「神の雫」7巻を読んだ。ワインが飲みたくなるなあ。アースデイで買ったグリジアのワインが眠っているのだけれど、いつ飲もうかな。
 7巻では、イタリアワインの解説がついているのだけれど、昨年ワインのコピーライティングの仕事をしたのを思い出してしまう。また、ああいう仕事をしたいなあって思うのであった。