木村紀子著「原始日本語のおもかげ」(平凡社新書)を読んだ。
坂本龍一がメルマガでとても美しい本だと紹介していたので。
タイトル通りの本。文字がない時代の言葉は、けれどもその残り香は今の言葉に残っている。万葉集などを引用し、14の言葉を紹介する。地層が時間の積み重ねでできているように、言葉にも時間の積み重ねがある。
古文について、まったく教養のないぼくにとって、美しさがわからないというのが、正直なところ。けれども、言葉の地層に重ねられた時間のことだけは、多少は感じ取ることができたかもしれない。
時間の重なりというのは、それを感じることは、とても大切なことだ。
その時間の地層の上に、ぼくがいる。
昨日の友人の訃報が、まだひっかかっている。
吐いたものがのどにつまって死ぬなんて、ジョン・ボーナムみたいじゃないかって思って、そういや「アキレス最後の戦い」とか聴いていたよな、ということも思い出してしまった。
死ぬっていうことでは、寮の同じ部屋の別の友人の訃報を電話で知らせてくれたのも、彼だった。それも、もう15年前になるのかって思う。