こちら葛飾区水元公園前通信656

 うちの息子が好きなウルトラマンは、「ウルトラマンコスモス」である。むやみに怪獣を殺さないというやつだ。そのわりには、すぐに戦いたがる息子なのだが。
 娘はよくケーブルテレビのアニマックスなんかを見ていて、最近は「らんま1/2」がお気に入り。今でもセーラームーンは好きで、将来は亜美ちゃんみたいにお医者さんになるとか。
 というような話を、子供たちのことを紹介したいわけじゃなくって、東浩紀のことを思い出してしまったので、している。
 思い返すと、ぼくが子供の頃は、夕方といえば、再放送アニメ・特撮の時間帯だった。この時間帯で、何回ウルトラセブンを見たことか。
 今はというと、地上波では再放送はやっていない。それらは、ケーブルテレビのコンテンツなのだから。また、レンタルビデオが普及しているので、子供たちは好きなウルトラマンを選んで見ることができる。しかも、選択肢のはばは広い。40年前のウルトラマンから、先日までやっていたウルトラマンマックスまであるし、ウルトラマンメビウスが放映中。
 今の子供たちにとって、子供番組っていうのはデータベース的に存在しているものなのだ。一方で現在がありながら、なお過去もある。「ケロロ軍曹」を見ていると、ガンダムを見たことはなくても、ガンプラは知っているということになる。
 おたくがデータベース的だとして、きっと次の世代はデータベースが前提だから、かえっておたくにならないような気がしている。娘も息子もそれなりの所有欲はあるのだけれども、だからといって強くコレクションしていこうというのはない。
 ちょっと、そんなことを思ったりもする。

 冷泉彰彦の「「関係の空気」「場の空気」」(講談社現代新書)を読んだ。
 JMMの中で、だいたい毎回読むのは、冷泉のUSAレポートだったりするのだけれど、そんなことで買ってみた。
 ピンとくるようなこないような、そんな本。日本語という言葉そのものの性質が、高いコミュニケーション能力があるため、空気を伝えてしまう。というか、空気そのものも言語の中に含まれているというべきなのか。それはそれですごく大事なものだし、ずっと使われてきている。それが「関係の空気」なのだけれど、この空気を伝えることが3人以上になると、「場の空気」として人間を支配する。残業があたりまえという空気はすごくわかりやすいかもしれない。」
 そして、日本を覆っている空気こそ大きな問題だということになる。昨年の総選挙で小泉自民党を勝利させてしまった空気とは何だったのか、というような。
 そして、場の空気に対抗するために、より高いコミュニケーション能力を持っていく、というのが冷泉の提案ということになる。
 それはそうだよな、とは思う。それにしても、アメリカ在住でこれを書く冷泉っていうのが、かえってピンとこなかったりする。でも日本にいたらわからないことかもしれない。
 それはそうと、自分については、ひょっとしたら昔から空気を変えやすい人間なのかなあって思うことがある。それが良い影響も悪い影響も与えることがあるような気がしていて、批判されたりもする。そのことと、ぼく自身がすごく群れることが嫌いだということには、関連があるのだろうか。

 友野典男の「行動経済学」(光文社文庫)は、結局のところ、経済理論のために合理的経済人を設定するけれど、現実の人間はそうじゃないっていう、そういうことから次の学問の展開を示した本。
 人間って、けっこう合理的じゃない考えをする。住宅ローンを借りるときでも、6%の金利の定期を解約して払ったりもしたということもあったっけ。
 本書は経済というより、マーケティングに役立つ本でもある。エネルギーサービスの営業をすると、「初期投資なしで電気代が安くなるなんて、うまい話があるわけない」って最初に思われるし、「少しぐらい安くなるからって、新しいサービスを受け入れるのはめんどくさい」ということにもなる。そんな心理を理解できると思う。
 人間って、けっこう近視眼的だし、ものごとを見誤るし、消費者の立場からいけば、だからだまされないようにしようっていうのもあるな。ア○ウェイみたいなネットワークビジネスが冷静に考えれば合理的ではないのに、まかりとおってしまうような。

 昨日、おとといと、第2寿美の湯という、一番近い銭湯に息子と行った。ここはお湯が熱めなので好きではなかったのだけれど、息子はサウナの横にある水風呂に入って喜んでいた。まあ、おとといは暑かったからな。って、昨日はちがうだろ。

 この連休は、友人Aの運転で、稲毛海浜公園葛西臨海水族園に行ったのだけれど、稲毛は初めて。人工砂浜があるけれど、プールもある。海で泳げばいいのかというと、それはやはり東京湾の奥なので、ためらわれるものがあって、プールだよなっていう。レジャープールにしては安く、大人1100円はともかく、小学生400円、幼児200円は良心的だよな。それで、流れるプールや波のプールがあって、すべり台(ウォータースライダーって言うんだっけ? 子供たちはやらなかったけど)があるので、いいかな、と。公園内の小川にはヤマトシジミがたくさんいる。とって食べなかったけど。

 実は先々週の1週間は娘は夏かぜで学校を休んでいたし、先週も体調が完全ではなく、メンタルな面もあって、学校に送っていったりしていたのだけれど、どうにか元気になって、プールで遊べるようになって、良かったというところである。

 今年はお盆は鹿児島に行くことになったのであった。