こちら葛飾区水元公園前通信827

tenshinokuma2015-01-21

 あけましておめでとうございます。
 年賀状をいただいた方、ありがとうございます。
 牛乳通信、今年ことは送るようにしますです。

 何だか、1月も半分以上終わってしまって、気分は年末というか。いや、時のたつのは早いこと。

 そんなわけで、あいかわらずばたばたしてます。昨年末から、新たなクライアントの仕事もはじめたし。子供の塾代のおかげで、キャッシュフローは悪化してるし。そんなこんなです。

 とりあえず、今年最初なので、今年はこういう年に、とかあればいいんですけど。自転車操業生活には、そういう余裕がなくて。いかんですね。
 まあでも、せっかくなので。今年はもうちょっとトレッキングをします。
 釣りに行くのはその分、減るかな。

 年末年始は、ゲームばかりしていた気がします。「ドラゴンクエスト10」が全然進んでいなかったので、進めたり。あと、「ベヨネッタ2」も買ったんだっけ。まず、1の方から始めました。美しいベヨネッタ姉さんが活躍するアクションゲームは、それはそれで楽しいです。テーマソングも気持ちいいので、ダウンロードしてしまいました。
 いや、どうしてゲームかっていうのは、理由があるんですけど。

 えーと、2日には、七福神めぐりもしました。今年は東海七福神です。
 京浜急行新馬場駅から、旧東海道にそって大森海岸まで歩くというコース。でも、旧東海道ということもあって、なかなか寄り道したくなるような寺社がたくさんありました。
 一緒に行った友人Aが小学生の頃に何度か来たという竈の神様のいるお寺、とか。
 最初にお参りした品川神社が徳川ゆかりの神社だとしたら、途中にある荏原神社明治天皇ゆかりの神社だとか、ね。
 寄り道して鯨塚も見たし。
 短い割には充実のコースでした。

 年末年始、あまり出かけなかったのだけれど、最大の理由は、子供たちが冬期講習を受けていたからですね。こればっかりは。
 こうなると、あんまりお正月気分にはなれないものです。
 まあ、いいんですけど。

 今年は、年始から小説ばかり読んでいます。
 最初に読んだのは、マデリン・アシュビーの「vN」(早川書房)。自己増殖するアンドロイドが主人公。当然、クローンみたいに、親子はそっくりになるんだけど。
 主人公はアンドロイドの母親と人間の父親に育てられている5歳のアンドロイド。姿も年長組。でも、実際にはアンドロイドは急速に成長する。人間の成長に合わせるべく、主人公の成長は抑制されていたんだけど、母親と敵対していた祖母が登場し、彼女は一気に成長してしまうところから、物語が始まる。
 という話なんだけれども。ポイントは、アンドロイドには良心回路みたいなものがあるんだけれど、主人公はそれが壊れている、みたいなところかな。これも含めて、ロボットがテーマのSFとしては、いろいろなアイデアが入れてあるんだけれども。結局のところ、凡庸なものになっちゃったかな。アンドロイドには男性も女性もいるんだけれども、自己増殖にあたっては、性別は関係なく、男性のアンドロイドも子供を産む。ということでは、ジェンダーテーマにもなるはずなんだけれども、結局のところ、そこには踏み込まない、とか。
 アンドロイドの認識って、人間と同じだとは思わないんだけども。

 アンナ・カヴァンの「あなたは誰?」(文遊社)。カヴァンの新刊が今年も読めるっていうのは、なかなか素敵なことです。
 雰囲気としては、「氷」の熱帯版。大学入学を棒に振ってまでいけ好かない男と結婚して東南アジアに来てしまった娘が主人公。男はみんなに嫌われているし、主人公も後悔しているのだけれども。それで、どうなっていくのか。カヴァンの小説のことだから、アクティブに動くということにはならなく、疎外されている風景の中で娘は男から逃げていく、ってなところかな。

 ミュリエル・スパークの「寝ても覚めても夢」(河出書房新社)は、今回の最大のおすすめ。スパークって、芸の細かいコメディを書く作家。今回の主人公は、映画監督。撮影中にクレーンが転倒して全身骨折したところから始まるんだけれども。その妻、娘と前妻との娘、それぞれの夫、女優、その他。登場人物の多くが失業中だったりとか。みんな互いに不倫していたりとか。映画監督は主演女優とは寝なきゃいけないらしいし。妻もそこはよくしたもので、骨折で療養中の夫がいるのに、愛人もこっそり同じ家に住んでいたりとか。とにかく、濃いキャラクターばかりで、その行動が笑えるのだけれども、同時に映画という芸術に交わる神の姿もまた全体を覆っているっていうのか。笑える行動や発言にも深みがあって。
 そんなに厚い本でもないし、ぜひ。

 田中康夫の「33年後のなんとなく、クリスタル」(河出書房新社)も読んでしまいました。意外に面白かったです。
 たまらなくお金持ちの世界っていうのは、あまり心地よくはないのだけれども。まあ、そのあたりは、カバーに書かれた檀蜜のコメントが秀逸なので、そこはぜひ自分の目で。
 ただ、この小説、簡単に説明すると、33年前の肉食系男子だった主人公が大人になったライトノベルです。主人公は「なんクリ」のモデルの女性ではなく、作者がモデルの男性。同世代の女性がたくさん出てくるので、まるっきりハーレム物。ただし、過去に肉体関係(ペログリ)があっても、今はそこまでいけない情けない感じ。結婚してるのにね。
 それから、長野県知事時代の回想もあるのだけれど、まるっきり「甘城ブリリアントパーク」だな。
 という読みやすさ、わかりやすさがある一方で、登場人物はみんな大人なので、それなりの経験もしているし、大人なりの野望もある。ろくでもない世界で、それでも社会にコミットメントしながら生きていく、というのが大人、でしょ。
 ほんと、80年代から現在までの、この国の時間の流れを、たっぷり感じさせてくれます。

 この国の時間の流れというと、東京MXで放映されている「ウルトラQ」と「ネオウルトラQ」が面白いです。この二つが平行して放映されているっていうのがポイントです。
 「ネオウルトラQ」は衛星放送ではすでに放映されているのだけれども、地上波は初放送かな。
 「ウルトラQ」の第二話は、ゴローという怪獣が出てくるのですが、このゴローは、旧日本軍が残した薬品のようなものを食べて巨大化したサル。南洋の島にも同じ薬が残されていて、巨大化したサルが原住民と共生しているという。「ウルトラQ」が制作された1960年代、まだ戦後の雰囲気が強く残っていたのですね。
 「ネオウルトラQ」の第一話。登場する怪獣は、ただ山の中にある特別な木を目指して歩くだけ。したがって、政府としては、通り過ぎるのを待つだけなのだけれども、怪獣を良く思わない人が集まって、抗議デモをしている。その一方で、無害な怪獣を守るデモをする人たちもいて、対立している。まるでヘイトスピーチとカウンターみたいです。とまあ、こうした姿が、戦後から遠く離れて逆戻りした日本を映し出しているというわけです。

 この流れで、深夜アニメの話も。
 とりあえず、ぜひ見てもらいたいのは、「美男高校地球防衛部LOVE」です。
 何といっても、男子高校生にセーラームーンプリキュアみたいなことをさせているという、それだけで爆笑ものですから。
 敵の地球征服部の男子高校生も変身してくれるし、実は悪役の方が無駄に有名な声優だったりして。
 第一話の敵はちくわぶの化け物でした。ちくわぶはおでんに欠かせないと思っている人にとっては、これは不当な扱いではないか、と抗議したくもなりましたが。

 その他の深夜アニメについては、また別の機会に。

 そういえば、年末に「憑物語」が放映されたので、録画してあるのですが、「物語」シリーズの視聴、まだそこまで追いついていないです。

 ところで、マクドナルドのカーリーポテトフライ、チキンラーメンみたいな味ですね。
 異物混入でたたかれているマクドナルドですが、24時間営業の店舗は、帰る場所のない人にとって、大切な居場所になっていました。それは、ドナルド・マクドナルドハウス以上に大きな社会貢献だったとは思います。マクドナルドはそうは思わないでしょうけれど。

 写真は、石巻サバだしラーメン。これがなかなかおいしかった。