グリーン成長

tenshinokuma2011-01-28

 現在、小谷真理の「リス子のSFときどき介護日記」を読んでいる。何だか、ファンダムの話が多くて、遠い目になってしまう。永田さんとか山野さんとか、なつかしい名前も出てくるし。というか、それを言えば著者である小谷さんやセンセイも同じことなんだけど。つまりは、ファンダムから遠く離れて、10年以上たつ、ということ。そして、みんな、介護しなきゃいけなくなっている、ということか。
 まあ、そんなことより、単純に、八ヶ岳の書庫がうらやましかったりするんだけど。
 そうそう、トーキングヘッズで鼎談をやったことも、話題で出てくるな。

以下、別のブログに書いたもののコピペ。写真はそのときのもの。

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 今日、午前中、表題のイベントがあったので、参加しました。
 OECDでは、グリーン成長に関する報告書を5月に公表する予定で、その前に31日に各国政府にドラフトを示す。それに先立っての、イベントということになる。
 結論を言えば、世界はこれまでのような経済成長はできないけど、グリーン成長をしていくことはできるし、そうすべきだというもの。どうしてかというと、環境の制約が大きくなるから。
 ポイントはというと、経済のバランスシートに、これまで入っていなかった、大気や水、生態系といった自然の資源を組み込むこと。また、成長と環境の間にはトレードオフの関係があること。したがって、成長そのものを組みなおす必要があること。水不足などの環境問題が成長のボトルネックになるし、ローカルとグローバルの関係にも注意すること。というのも、グローバルなサプライチェーンは途上国にとってコストとなる。もっとも、地産地消がいいとしても、それが本当に合理的かどうかは、透明性を持った検証が必要だし、環境をたてに保護主義になってもいけないという指摘も。そうした中で、環境をバランスシートにのせていくことで、新しい成長機会を見出すかもしれない、というのが、OECDの主張。かもしれない、というのはなかなか慎重な言い回しだと思うけど。
 ということで、グリーン政策が成長政策を支えることになる。
 注意すべきこともいくつか。まず、再生可能エネルギー産業は労働集約性が高く、これだけでグリーン成長はできないということ。
 イノベーション政策は重要だが、これに頼らず、時間軸を考えること。技術が間に合うとは限らない。
 惰性を排除すること。過去の政策がグリーン成長に合わなくなっているということもある。化石燃料に対する補助金、というのは、メキシコなんかにはあるし。
 グリーン成長の費用対効果を分析するには情報が必要だし、その点こそがグリーン成長を支える。とりわけ、税と規制をもっと使うべき。現在、環境に関する税は全般的に少なく、OECD平均で税収の6%しかない。税収を上げれば、国家財政にも寄与するし、イノベーションにも投資できる。
 グリーンジョブで雇用が増えることを期待してはいけない。既存産業がグリーン化することで雇用が増える。また、グリーン化に対して脆弱な人を支援することも大切だ。
 とまあ、そんな内容。

 日本にとっては、グリーン成長からどんどん離れているというのが、現在の政府だし、一方世論も結果を早く求めすぎるという指摘ができる。そんな悪循環の中では、OECD諸国の中でどんどん遅れていくことになるので、しっかりやって欲しい、ということになるのかな。
 アプトン氏は、今回の報告書は、各国がグリーン成長政策をとるための分析ツールだという。現実には、グリーン成長はたやすくないし、パーフェクトな政策はない、とも。それでも、やっていかなきゃいけない、というのが現実なんだろうな。

 それから最後に、アプトン氏は今回の報告書が、OECDの横断的な形でつくられたと話した。それだけ、気合が入っているというか、ことは環境だけではないということか。OECDの重要な課題は、第一に金融、それから社会保障ときて、環境が3番目。
 とはいえ、来年はリオ+20もあるという。そこは節目になるな、ということだ。