高田監督のこと

tenshinokuma2010-05-26

 高田監督の辞任、というのは朝日新聞誤報で、今日の楽天戦も指揮をするという東京ヤクルト
 でも、結局、負けてしまった。で高田は辞任。ちょっとかわいそうな気もする。だって、GMで結果を出した人に現場をまかせてもしょうがないし、GMの仕事が補強だとしたら、そもそも補強できていないんだから、高田の手腕が発揮されることはなかったと思う。
 GMということでは、西武やダイエーで監督もした根本がいるけど、監督としてよりもGMだった人だ。
 東京ヤクルトの今年のシーズンは終わった。

 それはそうと、5月25日に、外国記者クラブで開催されたワインの試飲会についてのメモ。主催はMIKUNI WINE COMPANY。
 せっかくなので、残しておく。

 20本のうち、ぼくの評価がもっとも高いのは、VERGELGEN CABERNET SAUVIGNON 2005という南アフリカのワイン(写真)。カベルネらしい香りはあるんだけど、それだけじゃない。ふくよかさではなく、乾いたアフリカの大地を思わせる、そんな渋みがある。国に含むと、この国の歴史の苦味をかすかに感じる。孤独を感じさせワイン。地味に、人の心に沈んでいくワインかな。気心の知れた友達を2人で飲む、そんな感じがする。

 A−MANO BIANCO 2009は、とんでもない白ワイン。香りは、アールグレイ。シャープでフレッシュな花の香りや若い果実の香り、という言い方が一般的になるんだけど、やっぱりアールグレイ。味わいもそれにふさわしい、身体の芯に届く果実の味わい。たぶん、どんな人にもこのワインを飲むことを、ぼくは薦める。好き嫌いじゃなく、白ワインの新しい世界っていうのかな。ミネラルを感じるので、おだやかさはないけど、逆に人をしゃっきりとさせる。普通に、女の子と飲みたい。イタリアの個性豊かなワインって、こんなレベルにある。

 PAUL-JABOULET-AINE CHATEAUNBUF DU PAPE LES CEDRES ROUGE 2006とJOSEPH DROUHIN GEVREY-CHAMBERTIN 2007の2本のことも。
 前者はローヌ、後者はブルゴーニュのワイン。どちらも、やわらかくバランスがとれた中で、かすかに甘い香りがする。それは、ワインのイメージを少し越えたところにある。ぶどうの種類も産地も違うのだけれども、ほんとうに香りは似ている。でも、味わいはまったくちがう。PAUL-JABOULET-AINEは、香りそのままの、やわらかい味わいで、やさしく包まれていく感じがする。若くてやさしい女性、というイメージかな。タンニンも強くないし、すごく飲みやすい。そのやさしさを、ゆっくりと楽しみたいって思う。ぶどうの種類はグルナッシュを主体にいくつか使っている。お近づきになりたい女性と飲みたい。
 JOSEPH DROUHINはカベルネーソービニヨンのワイン。カベルネらしいベリー系の香りなんだけど、少しおだやかな中に、やはりベリーではなくお菓子を思わせる砂糖の甘い香りが隠れている。これは、同じこと。この甘い香りを見つけると、とてもうれしくなる。でも、味わいはそんな単純じゃない。おだやかなバランスのとれた味わいなのではなく、いろいろなものが隠されているということ。タンニンも別に強いわけではないけれど、しっかり主張しているし、甘味や酸味も同じこと。つまり、若くてやさしい女性だと思ったのに、すっかり騙されてしまったという。飲む人を陥れるワインなんじゃないかって思う。こういうワインは、少し距離のある女性(例えば、他の誰かと結婚しているようん)と飲みたいって思う。ワインの持つ悪意が、ぼくの心を引きとめてくれるというような。

 ということで、もし酒屋で見つけたら、飲んでみてください。