「鳩山由紀夫の政治を科学する」

tenshinokuma2010-01-07

 高橋洋一竹内薫による、「バカヤロー経済学」の続編。版元はインフォレストに変わっている。
 鳩山と小沢の政治の解説としては、とても面白かったし、有意義な本。さすが、元役人の高橋、である。個人的には、オープンスカイのことがよくわかってうれしかった。
 科学するというのが、どこまで科学なのか、というのはどうか、とは思ったけどね。鳩山の専門がオペレーション・リサーチであり、その視点から、民主党、あるいは小沢と鳩山にとってもっとも合理的な政策と運営という読み方というのはあるな。
 じゃあ、小沢の目的は何かっていうと、高橋もよくわからないという。小沢支配が強くなっているのに、何をしたいのかさっぱりわからないというのが、小沢のすごさというか、まぬけさというところではないだろうか。
 この点について、ぼくは1つの仮説を持っている。支配ということの裏側で、そのための「国民の政治」というのをやらなきゃいけない、とは思っているのだけれど、実は何をしたらいいかさっぱりわからず、でもまあ、支配しておこうという。小沢というのは、ある意味、古い政治家というか思想なので、日本列島改造論から次のステップにうつれないんじゃないか、という気がしている。
 その意味では、鳩山はまがりなりにもメッセージ性を持っているし、それゆえに首相に向いている。ただし、本書はそうした鳩山の思想には触れていないので、そこにこそ、本書の違和感があるのだけど。

 ということで、菅財務相、早速円安発言でやってくれました。軽率だという批判もあるけれど、これは必要な発言だったと思う。長期金利の上昇に注意しながら、藤井路線を変更していけばいいのではないかと思う。結局、藤井の欠点は、元大蔵省という自分の殻を破れなかったことなのかもしれない。

 写真は、2日の銭湯の朝湯でもらった、干支石鹸。