こちら葛飾区水元公園前通信722

この土日は、水元公園で渡し舟に乗っていました。土日とも、です。
 実は、水元公園でちょっとしたイベントがあって、三郷公園との間で渡し舟を試験運行しました。わざわざ、千葉県佐原市から人をよんで、です。
 そういえば、池の上から公園をながめたことないなあと思い、土曜日に子供たちと乗りました。まあ、水元公園にいると、対岸の三郷公園にも足をのばしたくなるけれど、池(小合溜)があって、なかなか行けないというのが実情で、それでも水産試験場跡地を整備したおかげで、ずっと行きやすくはなったのですが、まあそういうことで、昨年に引き続きの試験運行なのでした。
 乗ってみれば、けっこう新鮮な気分になれるのと、やはり対岸の公園との一体感というのがあるのかな、そういうのはなかなかいいのではないか、と思うのでした。
 もっとも、渡って何をするというわけでもなく、娘はスイミングスクールに行かなくてはいけないので、いそいで家に帰っただけですが。
 で、かみさんも娘の友達も乗りたいと言うので、日曜日も乗ったのでした。今度は、時間に余裕があったので、三郷公園でそれぞれフリマを見たり遊んだりしたわけですが、息子はというと、タニシを捕まえるために、すっかり泥人間になってしまったのでした。

 ところで、土曜日の午後は、娘がプールに行ってしまったので、息子と、近所の中学校でやっている町内イベントに足を運びました。基本的に中学生が主役。合唱や劇を見て、バザーではラムネを飲んだり綿飴を食べたりしたわけですが。劇は演劇部がやっていて、オリジナルの脚本でしたが、けっこう上手だったので、なかなか悪くなかったです。前半の笑いをとる部分とか。息子も45分間、ちゃんと見て喜んでいました。
「思い出家族」という話は、主人公が中学二年生の女の子。友達と海に行こうとしたら、その日は家族で花火を見る日だ、と父親に言われて、反抗するけれども、母親から、あんなダメダメの父親だけど、いいところあるのよ、と中学二年生のときの父親と出会ったときの日記を見せられる、というもの。父親のダメダメぶりが、すごくよくできていて、そういうところがなかなか良かったのではないか、と。それを支えるまわりも上手だったし、という。まあ、5歳児が最後まで見られたのだから、良かったのではないでしょうか。

 岩田博の「ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏」(無明舎出版)は、けっこう仕事の上でいろいろ考えさせられました。
 岩田書院というのは、歴史・民族専門書の出版社で、40代で独立して開業した、社長一人だけの出版社です。年間40点の本を出し、年商1億円、けれども、支払を考えると、さほど儲かっているわけでもない、という舞台裏です。
 発行部数は600部、平均定価8000円の専門書を出すわけで、まあ、やたら儲かるわけじゃないけれど、どうにかやっていけるはず、というラインなんですけれども、そのために、一人ですべてをこなしていくと、何か、生活そのものが大変です。いくら自宅近くに会社があったとしても、9時過ぎに仕事を開始し、夜は一度帰宅して食事と入浴をすませ、また午前3時まで仕事、という生活は、したくないですね。しかも、土日は学会に行って販売もしなきゃいけない。いいのか、それで、と思ってしまいます。
 けれども、出版社を経営していくエッセンスというのはやはり、きちんとあって、いちおうは採算を考えているし、次の戦略というのも考えているわけです。アウトソーシングによって出版点数を増やし、在庫管理をしていく。少部数の出版というのは、どういう方向に行くのか、ということも含めて。ぼく自身も、少部数の出版戦略というのも考えているので、いろいろ参考にもなるし。
 文章は、新刊ニュースの裏に書かれていた文章をまとめたもの、という安易なものではあるのだけれども、でもそれはそれで読ませる内容というか、すごくそのときどきの課題なんかもわかっておもしろいです。設立当初と5年目の違い、とかね。
 まあ、こういう生活をしたくないよな、とは思っても、独立して仕事をしていくっていうのは、まあ、このくらいハードになるっていうこともあるんだろうな、とも思う。ただ、やはりこれじゃ、仕事のために生きているっていうだけじゃないのかなあ。余計なお世話なんだけど。

 あと、岩間剛一の「「ガソリン」の本当の値段」(アスキー)は仕事がらみで読みました。WTI原油は、今日の段階で97ドルという記録を残しているわけで、なかなかすごい状況だけれども、そのからくりあたりは、よく書かれていて勉強になりました。ただ、最後は「日の丸原油」の開発を求めてしまうあたり、元石油公団調査役だなあ、などとも思うのですが。いちおう、地球温暖化問題にも目配りをしていて、とりわけバイオエタノールには触れずにはいられないけれども、そのあたりまでは突っ込みは不足。これは本の性質上しかたない。
 それにしても、原油価格の長期的な読みというのは、ぼくは本当にまちがっていたなあと思って反省している。って、ぼくが反省してどうにかなるものでもないのだけれども。
 ここまで上がるとは思っていなかったのだけれど、その理由として、実は世界はもっと急速に温暖化防止に向かうのではないか、と思っていたから。そのことによる石油消費の減速が、原油価格低下をもたらす、という。しかし、今でこそ、IPCC第4次評価報告書が出たり、アメリカも世論としては温暖化防止に向かっているとはいえ、すぐに石油消費が落ち込むということにはならなかった。
 まあ、これはこれで、悪いシナリオではないかもしれない、とも思っている。結局、化石燃料を消費するっていうことは、環境コストを誰かが支払わなくてはいけないということになる。もし、長期的に石油消費が減少し、2050年には二酸化炭素排出量が本当に半減するのであれば、とりあえず原油輸出の減少分の収入は今回の価格上昇で産油国が受け取ることになるだろうし、それはしょうがないんじゃないか、とも思っているわけです。
 それに、実際にガソリンの消費などは減っているし。

 「クレイモア」、第2話まで読みました(第2巻ではない)。あと、「神の雫」の13巻も。