分身

というテーマで、トーキングヘッズの原稿を書き終わった。

安倍総裁ということで、いろいろ語られているけれど、わりとメインになっているのは、中国を含む東アジアとの関係改善っていうことになっている。そんなこと、去年の総選挙のときに言うべきだろ、とも思ったりもするのだけれども、それはまあともかく。
メディアの多くはそう書いている。
けれど、もっと正直に、「改善されないだろう」と書けばいいのにな。
そして、「おそらく短命政権であり、その次を、この短い間にいかに構想していくのかが問われる」ということにはならないのだろうか。
そこを民主党が明確にできるのか、あるいは仮に自民党参議院選挙で勝ったとしても、それを契機に、巨大な利権を背景とした内部抗争が起きるのではないか、とか。
事態は森対小泉の争いになるかも、とか。
たいした政策を持たない安倍に期待するほうがまちがっているし、できることなら、憲法教育基本法もいじらないまま、早く退場してほしい、というくらいである。

竹中が辞任するのは、わからないでもない。それは、小泉が、実は経済政策を優先させてきた政権だとすれば、安倍の構想の中にはそれはなく、ナショナリズムと強い日本というアイデンティティの獲得しかないからではないか。そうしたとき、経済政策は容易に官僚に飲みこまれるし、ただでさえ、小泉政権の後期では影響力を弱めてきた竹中にとって、首相の後ろだてがなければ、やってられるものではない。国会議員を続けることは、竹中にとって時間の無駄でしかない、ということになる。
まあ、だとすれば、竹中はそもそも、議員になるべきではなかったと思うのだけれども。