名古屋出張でクライアントとの打合せが終了したあと、時間があったので、あいちトリエンナーレを観てきました。
といっても、時間の関係で、愛知県立美術館と名古屋市立美術館にしか行けなかったのですが。
観ることができた作品については、いろいろとありますが、面白かったです。というか、ここにある作品は、「私たちはどこにいるのか」ということを、大ざっぱに言えば、示しているような気がしました。私たちといっても、一人一人は違っているし、けれども無関係ではなく、つながった世界です。
難しい内容はなく、感じ取れるものだし、それは快・不快といったコードを伴っています。
その意味でも、敷居の低い、誰もが何かを感じ取れる、そんな美術展なのではないでしょうか。
さて、そういう作品が集まる一方で、展示会そのものとしては、「とても恥ずかしいもの」だと感じました。それは、この国が「表現の自由はもうありません」と、世界に向けて述べているからです。
ある作品は撤去され、ある作品は展示が変更され、ある作品はパフォーマンスが行われない。
これは、美術展としては、極めて異様な光景です。こうした美術展を恥ずかしげもなく現実のものとしているのが、元をただせば、現在の日本政府です。この政府には「表現の自由を守る」気概などありません。
「民主的な日本はもう終了しました」と、世界に向けて発表した、そんな印象を与える美術展になったと思います。
補助金支給の中止というのは、まさにこうしたことを、さらに進めていくという政府の宣言なのだと思います。