第32回国会エネルギー調査会(準備会)

tenshinokuma2013-11-22

今週のお題「紅葉」
 ということで、昨日は議員会館まで行きました。参議院議員会館の前のイチョウの実が落ちていたものが、いまではすっかり踏みつぶされ、形もなく、香りだけが強く残っていました。
 で、紅葉の話題はここまで。あー、いや、時間があれば、秋の間に大山くらいは登っても良かったんだけどね。せいぜいい、庭の柿の葉くらいです。

 さて、昨日のお題は、東電の破たん処理、じゃなかった事故処理・廃炉体制と東電のあり方か。
 で、最初に出てきたのが、東電の分割についてのプレゼン。これを聴いていて、かつてぼく自身も会社の分割を検討したことがあることを思い出した。

 ぼくが仕事でかかわっていたH書店という出版社は、英米文学の研究所や教科書などを中心に出版していた。でも、経営状態は最悪どころか、経営とはよべないような状況で、本は出すけれども、印刷会社にもデザイナーにもお金が払えず、印税なんて何の話、みたいな状況でした。すでに、社屋と社長の自宅は抵当に入っており、競売を待っている状態でした。
 ということで、一般的には、ここで会社の清算ということになるのですが、それでいいのかどうか。第一に、出版社には公的な使命があるのではないかということ。具体的には、これまで出版してきた研究書や利用されてきた教科書が使えなくなるということ。もう1つは、債権者の利益を最大限に考えたとき、単純な清算でいいのかどうか。これに付け加えれば、文学研究書の出版社として、やり方を変えれば持続可能なのではないかということでした。
 そこで、会社の分割を考えました。新しいH社と負債を処理する旧H社です。新しい会社は、H新社とします。これにより、債権者にできるかぎりお金を返すしくみをつくるというものです。
 まず、旧H社ですが、ここに負債と既刊本という資産を残します。たぶん、会社を清算したら、これらの本はブックオフにでも持っていくしかないのですが、実は毎年、教科書の売り上げなどが一定額ありました。そこで、この教科書の販売を通じて、最大限、返済していくことになります。
 H新社では、旧H社の資産管理を行いつつ、リスクの少ない事業を展開していくというものです。実は研究書の多くは、印税の前に著者から科研費などの形で製作費が入ってきますから、本の受注生産のようなことをしていれば、そんなにへこむことはないと考えていました。
 実際に、弁護士を交えて、かなり真剣に考えました。
 ぼくは、債権者の立場でしたが、まあ、そうでもしないと、何もないな、という。

 結果として、社屋などは競売にかけられましたが、そのお金はどうなったかわからないまま、実はH社はまだ残っていたりします。取次の口座まで差し押さえられたのに、会社だけはまだあるという、不思議な状況になっています。お金を回収できた会社は、ほとんどないでしょう。弁護士もまた、お金を回収できず、債権者となってしまいました。新しいオフィスは、差し押さえを避けるため、退職した従業員の名義で借りるという念の入ようです。H社は、その後、取次にまわせないのに本をつくってみたりとか、多少は何かをしているのですが、まともに営業しているふうではありません。何なのだろうと思ってしまいます。

 えーと、ですから、東電もそういうことで、おとなしく分割されたほうがいいのではないか、ということです。でも、そのときに、大事なことは、誰の利益を守るか、だと思います。