こちら葛飾区水元公園前通信770

tenshinokuma2010-11-23

 最近、すっかり寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。こちらは、風邪などひくこともなく、とりあえず元気にやっています。
 というか、今月は仕事がたくさんあって、それどころじゃなかったんですけどね。

 どうして忙しかったかというと、本の発行が1か月前倒しされてしまったからです。
 一昨年の4月に刊行した「電力・ガス業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本」の第2版を出すことになったのですが、年内校了だったものが、今月末になってしまって。すっかり、仕事が重なってしまいました。
 まあ、そのくらい仕事をしないと、暮らせないというのも事実なので、不満はないんですけどね。来月は来月で、年末進行で仕事が重なるし。
 せめて、印税が入ることで、お正月が多少は暖かく過ごせるのが救いでしょうか。

 そんなわけで、第2版は、来月初旬には店頭に並びます。前回、買わなかった方は、この機会にどうぞ。って、業界に関係がない人にすすめてもしょうがないですね。
 ただ、おかげさまで旧版の評判は悪くなかったです。かなり業界に厳しいことを書いていたし、原子力については、批判もかなり書いたので、普通の業界本の枠には入っていないと感じた方もいました。新聞記者から「会いたい」という連絡をもらったりもしたし。
 本を出すと、波及効果もあって、今月もちばぎん総研のビジネス誌に原稿を書かせてもらったりとかあって。
 第2版では、最後の項目が「スローライフベーシック・インカム」ですから、やっぱり普通の業界本じゃないですね。

 ということで、次は、「INDUST」に連載している「エコ・ブランド・エクイティ入門」を、どこかの出版社が単行本化してくれないかなぁ。って、そんな話はないか。
 それよりも、エッセイ集「クマによるとこの世界は・・・」の第2弾が先、でしょうか。

 今月の本はというと、中森明夫の「アナーキー・イン・ザ・JP」(新潮社)です。これは、面白かったです。好き好きだと思うけど。
 話はというと、シド・ヴィシャスにあこがれたパンク少年が同じアナーキーでも大杉栄の霊に憑依されるという話。とにかく、いろいろなことがぶちこまれているっていう小説で、思わず笑ってしまうところとか、たくさんあります。
 アナーキズムっていうと、無政府主義って訳されるもので、実質的にそういう体制って無理なんじゃないか、的な思想。じゃあ、意味がないのかっていうと、そうでもない。大杉がナンバー1のアナーキストだとして、そこに近い人は、例えば師匠の幸徳秋水、あるいは埴谷雄高。たぶん、どんな政治体制があったとしても、というかあるからこそ、人はそこから自由になりたいというものを含んでいる、というものなのかもしれない。秩序の外へという動きが、こっそりと、大きな動きにはめこまれていることもある。自民党をぶっ壊すと言って自民党の総裁になった人もいたけど、そういう面があるのかもしれない。
 実は、アナーキズムというのは、人がどこかしら本質的に持っているものだし、そのことが、どこかしら世界に位置付けられ、時に重要なところにあったりする、というものかもしれない。
 というのが、現代なんだろうか。本当に、「ワンピース」が人気を保っているっていうことも、そこと通底していると思う。どうしたって、海賊ってアナーキーな存在だし。親父は革命家だしね。それに、昨今の経済状況を考えると、お金というものが、うまく機能しない時代になっているということも感じています。
 という中で、あらためてこの小説が書かれたっていうことの意味が大きい、と思う。批判もできるけど、素材のてんこ盛りそのものが、アナーキーな書き方だな、とも思う。
 まあ、ラストとか読むと、中森は映画化も考えているんだろうな、などとも思ってしまうわけですが。

 あとは、声に出して読みたい川上未映子の「乳と卵」(文春文庫)なんかも読んだな。笑えない話だと感じたな。
 知人の本も読む、ということで、品田茂の「爆沈、浮島丸」とかも。浮島丸は戦後、麻舞鶴でたくさんの韓国・朝鮮人を乗せたまま沈没した船なんだけど、沈没の理由も死亡者数も謎のまま。乗っていた韓国・朝鮮人は、青森の鉱山で強制連行で連れてこられて働かされていた人たち。でも、本書はその謎に迫るというよりは、この事件を風化させない市民運動について書かれたもの。そうだよなって思う。

 それから、携帯電話を新しくしました。電話番号は同じですが。auですが、前の電話は再来年7月には使えなくなるので(って、まだ時間がありますね)、それと電池の交換も必要だったし。
 かくして、ソーラー携帯にしてみました。でも、ソーラー充電って、ささやかなものだということもわかったな。それどころか、機能が増えている分、電気もたくさん使うので、電池の減りが早い。エコじゃないですね。
 とりあえず、歩数計をチェックしたり、朝のアラームは「Super Driver」だったり、着うたは「仮面ライダーOOO」だったりしてます。

 釣りはですね、今月は1日に行きました。平日ですが、息子が振り替え休日だったので。たまには、ゆっくりと釣りをしたいなって思って(いつもは、ゆっくり釣りしてない)。いつもと同じ葉山で、カワハギでも釣ろうかな、と。カワハギも釣れたけど、それより型のいいメバルが収穫だな。息子はというと、けっこうでかい、クロダイらしき魚をひっかけたのだけど、これは糸が切れた。でも、魚の引きを楽しんだみたいで、これを経験すると、釣りはやめられなくなるんだよな、ということだ。カワハギは刺身に、メバルは煮付けになりました。最近、釣った魚の料理も、けっこう上手くなってきたなって思います。手早くなったというか。
 釣った魚の写真は、いつもどおり、ブログに貼ってあります。
 そういうことで、次は、堤防五目釣り、釣った魚でやみ鍋、というのは、いかがでしょうか?

 最後は政治のこと。
 今、日本とアメリカって、似た状況に陥っているとは思うんです。結果は違うけど、人々が何か錯覚しているという意味で。
 まず、日本のことを言うと、菅政権の支持率がものすごく下がっていて。でもね、代表選のときは、マスメディアは菅支持だったんだよね。
 菅がだめだって思うのは、この間、ほとんど自分の言葉で話していないこと。ぼくはこの点だけでも十分に、鳩山より劣るって思っている。というか、鳩山自身、菅に対してそうした苦言を呈している。
 それでも、ぼくは自民党の政策よりは民主党マニフェストに書かれたことのがよほどましだとも思っているんだけど。
 今の状況で、みんな政治が悪いって思ってるのかもしれないけれども、多分、そうではないんじゃないかな。鳩山の問題は、自縄自縛。マニフェストを実現しようとしたのに、足を引っ張る人がいたし、世論調査がミスリードしたし、それで何もできなくなってしまった、という。多分、鳩山は内閣支持率なんてほうっておけば良かったし、マニフェストに従わない閣僚は注意しとけばよかったし。財源不足なんてことに耳を貸す必要はなく、さっさとばらまいてしまえば良かったのだと思う。普天間なんて、放り出しても良かったはず。大切なのは、4年間で何をするかであって、目先のことではなかったとも思う。
 鳩山が死刑廃止論者を法務大臣にしたのは、確信犯だと思うし、新しい公共論が不足する財源の中で乗り切る福祉政策のカギだったとも思う。でも、こうした鳩山の考えが周囲は理解できなかったのではないか。
 菅はラディカルな政治家だとは思っていたんだけど、何か丸め込まれてしまっていて。鳩山も政権を譲ったときに、ここまでとは思わなかったんだろうな。それが、代表選につながっていく。
 とはいえ、今さら菅の交代もないわけで、というか問題はそこにはなくて、大切なことは、世論調査で、支持率ではなく、具体的にどんな政策をしてほしいかということなのだと思うんだけど。

 アメリカもまた、人々がミスリードされている。中間選挙民主党が敗北したわけだけど、何だろうって思う。国民皆保険制度で、みんなが幸せになれると思うのに、どうして反対する人がこんなにいるのかな、と思う。お茶会党のメンタリティが理解できない。
 確かに、雇用は伸びなかったし、景気も回復しきっていないんだけど。そんなにアメリカ人は貧困大国が好きなのかな、と思ってしまう。

 ミスリードっていうのは、財源論がよく示している。これは日本もアメリカも同じ。アメリカの場合、自助が美徳、という金持ちと小金持ちの論理が生きているから。
 日本の場合、財政赤字がやたらと大きいから、それだけで財源ないね、というと納得してしまう。
 でもね、財源論で徳をするのは、金持ちなんだ。だって、国債を追加発行したら、円の価値が下がる。それで困るのって、現金をたくさん持っている人なんじゃないかな。円の価値が下がれば、相対的に円安になるはず。それで、何か問題でも?

 というようなことができない人たちだから、ぼくたちは苦しまなきゃいけないんだけど、それもこれも、ぼくたち自信の経済への無理解、ミスリードされている責任というのもあると思う。

 そんなわけで、「進撃の巨人」が気になっていたので、2巻まで買って読んでみた。わからないでもないけど、イマイチだな。
 それより、緑川ゆきの「夏目友人帳」を読もうと思う。10巻まで買い込んだし。