どうしてこうもネガティブなんだろう

tenshinokuma2009-05-26

 などと書きたくなることがたくさんある。

 例えば、北朝鮮の核実験なのだけれども、日本は「制裁強化」一色である。これが、よくわからない。
 少し前には、蓮池透さん、だったかな。北朝鮮拉致被害者関係の人だけれど、「経済制裁より対話」ということを話していた。被害者の会の人は、「蓮池さんは家族が戻ってきたからそう言うけど」ということで、制裁を加えないと拉致被害者は帰ってこない、ということだ。
 北朝鮮で核実験があったからといって、ロシアや中国は制裁を強化するようには見えない。そんな中、日本だけが制裁を強化してもあまり効果がないといえば、そうなのだろう。
 けれども、よくわからないというのは、こういうことなのだ。目的って何なのか? ということ。
 核実験に対しては、やはり核のない東アジアをつくることが目的だし、拉致問題は家族が帰ってくること、少なくとも事実が解明されることだろうと思う。制裁は目的ではないし、制裁を加えたからといって解決する保証などどこにもないのである。
 だとしたら、制裁という短絡的な思考ではなく、どうすれば目的を達することができるのかを、一歩下がって考えるべきだろう。
 そうした思考ができないからこそ、日本は「北朝鮮にすら相手にされない」国になってしまった、ということなのだろうか。
 ぼくは、もっと北朝鮮が豊かになるべきなのだと思う。少なくとも、その方が、まだ生きているかもしれない拉致被害者にとっても少しはよりいい暮らしになるはずだ。そして、豊かさと引き換えに、独裁体制を解除し、いずれは韓国に併合されていくべきだろう。
 そうしたシナリオを描くべきなのだ。

 北方領土も同じことだと思う。日本に帰ってくれば、それですむ話ではなくなっている。北方領土が日本に戻ってきたら、どんないいことがあるのか、そこをまず考えてみるべきだろう。オホーツク海の漁場で魚が取り放題になるということだろうか。それは悪くないが、領土の返還以外に方法はないのだろうか。北方領土を開発し、リゾートを造る? あまりいい考えだとは思わない。そこに暮らしているロシア人はどうするのだろうか。日本に帰化するというのが、ベストだと思うが、それを多くの日本人は受け入れられるだろうか。ぼくは受け入れるけれども。
 たぶん、北方領土がのどにささった魚の骨になっている間に、ロシアとの間にエネルギー資源や環境保全に関する協力、経済開発と新たな市場の誕生、そんなものをすべて逃しているのではないか、と思う。原子力の協力、まあ、それはいいや。
 実は、ロシアは隣の国なのだし、だからこそ、もっと気楽に北方領土にもサハリンにも遊びに行けるようになればいいと思う。

 最近、一番ネガティブだったのは、5月21日の意見広告である。経済界の多く、産業べったりの労組は、2005年比マイナス6〜12%で、これは90年比にするとプラス2%からマイナス4%といったところ。それで国際的に公平性が保たれるというのはまあいい。それ以上削減すると、経済的な影響が大きいという、ほとんど恐喝である。
 この広告、よく見ると1990年比での数字が見当たらない。
 ことは、日本だけの問題じゃなく、世界をどうしようかっていうことだ。そういう発想がまるでないのが、問題なのである。