こちら葛飾区水元公園前通信686

 今年はすっかり暖冬で、冬という気がしないのですが、みなさんはいかがおすごしでしょうか。ぼくは、寒いのは苦手なので、まあ、いいんですけど。

 「トーキングヘッズ」の29号が出ました。特集は「アウトサイダー」です。障害者の芸術作品などを取り上げています。アウトサイダー・アートです。個人的には、介護福祉士でSM女王の愛咲さんの記事が好きです。
 ということで、また今回もよろしくお願いしますね。

 最近は、どんな本を読んでいるかというと、ブライアン・スティブルフォードの「フェンリス・デストローヤー」(サンリオSF文庫)だったりします。宇宙飛行士グレンジャーの冒険も5冊目です。あと1冊まできたというところ。
 今回は主人公にとりついている「風」の過去も明らかになるし、宇宙人もけっこう変です。闘わないのになぜ武器があるのか、異星人とコミュニケーションできるとかえって尊敬されない文化だし、などなど。スティブルフォードがティプトリーを高く評価しているっていうのもよくわかるなあって思う。

 田中啓文の「ハナシがちがう」(集英社文庫)は、けっこう楽しみました。「タイガー&ドラゴン」が放映されるずっと前に、こんなものが書かれていたという。元暴走族が元落語家の教師のつてで落語家に弟子入りするとことから始まる。トサカ頭の落語家というわけ。で、実はこれ、いちおうミステリーなわけで、事件が起きれば、主人公が謎を解くということにもなる。
 どの作品も落語のネタを背景にしていて、例えば「時うどん」(上方なので、「時そば」ではない)や「千両みかん」など。そのあたりのよく出来て良さ加減は「タイガー&ドラゴン」並み。
 いちおう言っておくと、この作品で出てくる梅寿師匠のような酒飲みは、今はあまりいないらしい。立川志らくが言っていたけれど、今の落語家って、みんなせっせと勉強しているので、お酒で身を持ち崩したりしないらしい。痴楽や小円遊のような人は過去のものというわけなのだ。

 ビジネス書では、古賀辰男の「ザ・サーチファーム・ジャパン」というのをブックオフで見つけて買った。
 これは何かというと、ヘッドハンティング会社を紹介した本で、古賀がその経営者ということになる。つまりは、自分の会社を宣伝するための本なのだけれど、意外なことに、5件のケーススタディが、下手な短編小説より面白かったりする。相手がどんなことを考えてヘッドハンティングを依頼するのか、そのためにどんなサービスをし、どんなリサーチをするのか。どんな人材を探してくるのか。
 ヘッドハンティングといっても、指名ハンティングは少ないらしい。むしろ、「こういう人材が欲しい」というクライアントに対して、せっせと探してくるというスタイルだ。
 古賀については、1点、共鳴するところを紹介しておくと、彼はミドルの転職についての現状には問題があるという。それなりのキャリアを持った人が「会社がイヤだから」といって安易に転職をして失敗する例をたくさん見ているし、それが自殺にもつながっているとまで言う(何か、3年前を思い出すと、他人事ではないんですけど)。
 だから、古賀は、徹底したサポートによって、失敗しないミドルの転職を支援しようとするし、そういう市場があると考えているということだ。
 ぼくもミドルの転職は難しいと思う。それなりのキャリアを期待されて転職しているはずなのだけれど、だからこそお互いの考えにずれがあると仕事はしにくい。かといって、簡単に再転職するわけにはいかない。生活基盤もあるわけだし。
 30代も後半になったら、安易に転職すべきではない、と思う。その上で、より深いコミュニケーションを通じて、リスクが少なく、キャリアがアップする可能性が高いのであればいいし、古賀はそういう市場をつくりたいということだ。
 まあ、ぼくがヘッドハンティングされることは有り得ないですけど、そこはそれ、です。
 最近は仕事的に個人的には、いろいろと、運命的な出会いがあったりして、面白いなあって思っているところです。詳しくはお話できないですけれど。

 青海苔さん推薦の「仮面ライダー The First」という映画を見ました。大人をターゲットに、昔の仮面ライダーをリメイクしたという。仮面ライダー1号と2号の女性をめぐる三角関係とか、そんな要素も入っていたりします。
 本当に仮面ライダーなわけで、変身ではなく、仮面をかぶるのです。改造人間の方も、仮面をかぶっていたりして、そういうところは妙に新鮮だったりします。本郷猛と一文字隼人のキャスティングもいいし、宮内洋がちょっとだけ立花藤兵衛役で出演したりもします。
 でも、つくりが中途半端なんです。前半、仮面ライダー1号がビルに侵入する場面、間違いなくかっこいいです。でも、このテンションで映像が最後まで続くわけではない。続けばハリウッド映画なんだけどなあ。
 ショッカーも作りこみが不足しているし、何をもって悪事をはたらこうとしているのか謎。改造人間は1ヶ月に一度は血液を交換しないと、拒否反応が起こるわけなのだけれど、本郷猛にはそれが起きない理由も説明されていない。
 病院を舞台にしたコブラ(娘の好きなウエンツ君が演じている)とスネークのロマンスも、もうちょっと描いても良かったんじゃないかって思ったりもします。
 多分、予算をかけなくても、2時間を越す映画で良かったはずなんです。アメリカのスーパーヒーロー物の路線でできたはずなんです。「X−men」に劣らない作品にできる設定だと思うわけです。

 そうそう、そういうわけで、「X−men2」も見たんだっけ。ファイナルを見る前に、こちらを、と思って。サイクロプスが活躍しなさすぎ。個人的には、ストームが好きです。
 そういえば、「ファンタスティック・フォー」も映画化されているんで、次は「スーパー3」が見たいな。バラバラのマイクやボヨヨンのコイルを実写で見たいと思うのでした。