諏訪神社

tenshinokuma2018-02-09

立石にある神社。

さて、早瀬耕の「未必のマクベス」(早川書房)を読了。
友人Iが昨年のベストだといっていたので。
600ページを一気に読ませてくれる、楽しい読書だった。
それに、ぼくも都立高校出身だし。そういえば、最初に声をかけてくれた女の子とは、出席番号でいうと、ぼくが男子の後ろの方で彼女が女子の前の方だったな、とか、そんなのはどうでもいいんだけど。
Everything But The Girlも思い入れがある。ファーストが「Eden」で、それはいいけど、セカンドは「Love Not Money」だな。こっちがこの作品にはふさわしいか。サードはアパレルブランドになっているらしい、というのが「下妻物語」に出てくる。
小説そのものは、とにかくよく作り込まれていて、そこがいいところ、だとは思う。
思うのだけれど、主人公がシナリオ(というより、戯曲「マクベス」か)通りに進むあたりが、何というか。
で思い当たったのが、アドベンチャーゲーム。ゲームシナリオなんだ。
それに、メインヒロインを含め、複数の女性が主人公に好意を持つ。ハーレム系恋愛アドベンチャーゲームだ。
そう思うと、いろいろなヒロインのルートがあるんじゃないか、と思うのは、それはそれで楽しい。
いろいろなエンディングがあるんだろうな。
それに、ゲームだからこそ、ありえないような設定、展開も許せてしまう。
でも、そこには、恋愛小説としてどうしようもなく心を動かすものが、欠けている気がする。
主人公は、選ばされているだけ。何か、深いところに入っていかない。
読了は、ゲームをクリアした快感はあるけれど、それ以上ではないって思う。
友人Iには申し訳ないけれど、楽しい読書以上ではなかったということを、記録しておく。