こちら葛飾区水元公園前通信791

tenshinokuma2012-07-24

 暑い日が続きますが、お元気でしょうか。
 子どもたちも夏休みに入り、何だか力が抜ける日々ですが、どうにかこうにかやっています。

 また宣伝ですが、7月23日発売の週刊「エコノミスト」で、電力市場全面自由化と発送配電分離に関する短い原稿を書いていますので、また立ち読みしてやってください。もっとも、原発のことを書いた部分や、本質は総合エネルギーサービス事業の登場といった部分がカットされてしまい、誰が書いても同じような記事になってしまったのですが。

 もう一つ、宣伝です。「トーキングヘッズ叢書No.51」が今月末には書店に並びます。こちらはぜひともお買い求めください。よろしくお願いします。今回は、「謎の彼女X」についてのレビューなどを書いています。いや、もっと別の内容のものも書いているのですが、それは実物を手に取ってから。

 今月は、何よりも、赤坂真理の「東京プリズン」(河出書房新社)をプッシュしてしまいます。読むべきです、と断言します。
 赤坂が自分と日本の過去に折り合いをつけるために書かれた小説、という体裁です。1980年、15歳の赤坂はアメリカのメイン州という寒いところに留学しています。それを、時間を越えて現在の赤坂が電話ではげましたりもします。
 アメリカで出会うのは、アメリカ人の日本との戦争、天皇の戦争責任に関する見方であり、ベトナム戦争に対する逃げの姿勢です。一方、赤坂はこれまで、日本にいながら、日本が戦争に負けたということの意味も天皇が戦争責任をとらされなかったことにも感じることはなかったということに気づきます。それどころか、赤坂の母親は東京裁判で資料の翻訳の仕事をしていたにもかかわらず、赤坂にそのことを語ることはなかったという。日本の歴史教育は、明治維新あたりで終わるようにできていて、そのあとの時代を学ぶ機会はないという現状もあります。
 15歳の赤坂はわずか1年で留学先から逃げるように日本に戻ります。ところが、赤坂の父親の事業は、円高によって立ちいかなくなり、そのまま体を壊して亡くなります。世間がバブル経済となっているのに、円高によって生活が苦しくなり、その先にバブル崩壊があるという。
 そんな状況の中で、40代なかばにして、ようやく日本の戦後に向き合うことができたという。15歳のときにアメリカで問いかけられたものにようやく答えられるという。
 東京裁判巣鴨プリズンを足したようなタイトル。ぼくたちが、戦後であるということを気づくことなく生きてきたということを、本当に思い知らされる小説です。

 6月末は今年二回目の釣りに行きました。久しぶりに、息子だけを連れて行きました。息子の友達を連れて行くのは、それはそれで楽しいのだけれども、あまりにも子どもが多いと、根がかりなどのトラブルの対応に追われて釣りを楽しめないのが欠点です。それに、釣った魚の下処理をしておみやげにしてあげるのだけれど、それはそれで大変だというのが、実は本音。たまには、ぼくも釣りを楽しみたくて。といいつつ、狙ってたカワハギを釣ったのは息子の方で、ぼくはといえば、ベラの引きを楽しむくらいだったんですけどね。でも、そんなわけで、楽しかったです。それに、魚をおろすのも上手になってきました。カワハギと大きなベラはお刺身にしたし。
 今月は、ハゼ釣りに行く予定です。情報では、セシウムは検出限界以下だということなので、いいかな、ってね。

 今月は、久しぶりにトレッキングもしました。子どもができてから、あまりやってなかったので。体重も増えたし、7月だし、ということで、距離はあるけれど、あまりきつくないコースとして、陣馬山から高尾山に向かうコースを歩くことにしました。陣馬山は高尾山より標高が200m以上高い、ということは、全体として下りのコースということになります。距離は19kmですが、そんなにしんどくないということになります。
 陣馬高原下から山頂までは、短い距離の登りがあり、ここが気分的にはスタート地点。ゆったりと下る尾根を歩くと、涼しい風が通り過ぎていて、ものすごく快感です。もう、このためだけに山を歩いてもいいと思うくらいです。まあ、ところどころ登りもあるわけですが。それでも、高尾山で生ビールを飲むことを目指して歩けば、つらいことは何もない。
 正直に言えば、高尾山から陣馬山に向かって歩く方が充実感はあるのですが、それはそれとして、次の機会に。今回は、トレッキング再開のリハビリみたいなものですね。年内には、表丹沢を歩きたいとも思っています。それに、大倉尾根をまともに登ったことがないし。あまり楽しくなさそうだけど。その前に大山、かな。

 そのうち、牛乳通信の90号も送ります。今年は年賀状がわりの発行をしなかったので、暑中見舞い替わりということで。
 郵送分は、住所がわかる人には送りますので、そちらもよろしく。

 ではまた。