「日本」の売り方

tenshinokuma2012-03-22

 保井俊之著「「日本」の売り方」(角川ONEテーマ新書)を読了。
 まあ、日本がものづくり国家だとして、形のあるモノは競争力がなくなってきているとは思う。DRAMも太陽電池も、そんなことになっている。家電もそうだな。
 でも、協創力によって、ものをつくっていくというのはアリだ。とまあ、そういう本である。協力してシステムのようなものに統合していく能力は、日本人は強い、というわけ。
 まあ、日本人が本当に強いかどうかは別にして、単品のモノではなく、インテグレートされたものというのは、まだ競争力がある分野だな、確かに。
 けれども、日本人がそのことに気づくかどうかは、別だ。それに、オールジャパンでやる必要もないって、ずっと思っているし。そうなると、「日本」の競争力という話じゃなく、それぞれの事業者の戦略として、アライアンスをいかに組み込んでいくか、ということにもなってくる、のだと思うのだけれども。
 ということで、ぼくとしては、納得する本ではあった。ただし、あえて言えば、大企業の協創力と、ローカルな展開というのは、根ざすものが違うと思うけどな。ヒエラルキーがあるかないか、だけでも大きなちがいだ。もちろん、ない方が強いと思う。