仕事上の新年のご挨拶

tenshinokuma2011-01-05

 あけましておめでとうございます。

 昨年は本当にいろいろとお世話になりました。
 おかげさまで、仕事の面ではいろいろと充実した1年だったと思います。今年はさらに、新たな展開、新たなジャンルへの挑戦をしていきたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。

 ちょっと長くなって申し訳ありません。以下、昨年のご報告をさせて下さい。

1. 昨年の仕事の上のトピックとしては、おかげさまで、「電力・ガス業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本〔第2版〕」(秀和システム)を12月に刊行したことです。旧版からわずか2年8ヶ月の改訂でしたが、世の中の動きがあまりに早いので、追いつくようにしたかったからです。それに、おかげさまで旧版の売れ行きが好調だったこともあります。本質的なことは変わっていませんが、スマートグリッドなどについての記述をはじめ、20%の増量となっております。書店で見かけたら、ぜひとも、お手にとってごらんください。
 今年は、また違う本が出せたらいいと思っています。
http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/2810.html

2. 仕事のメインは、昨年も「分散型エネルギー新聞」でした。記事を書くというよりも、いろいろなインタビューをさせていただきました。出会いから生まれるものも、何かしらあると思っています。今年も、いろいろな方のインタビューをさせていただきたいと思いますし、とても楽しみにしています。
 「世界を読む」という連載コラムも、今年も続けることができました。とりわけ、COP16関連については、終了直後の分析になったので、不足する部分もあるとはいえ、大本営発表のマスメディアの記事とは違ったものになったのではないかと思っています。
http://www.onsitehatsuden.jp

3.一昨年から続けているのが、「電気と工事」と「INDUST」という二つの月刊誌です。前者では、今年もさまざまな特集記事の執筆をさせていただきました。エネルギー業界の現場の、すなわち電気工事会社の方々の話というのは、大所高所から語られるインタビューとはまた違ったものがあります。むしろ、こちらの話の方がリアルで大切かもしれません。また、産業廃棄物処分の業界誌で連載中の「エコ・ブランド・エクイティ入門」も、さまざまなテーマを取り上げることができました。生物多様性とかコンプライアンスなどです。
http://www.ohmsha.co.jp/denkou/
http://www.zensanpairen.or.jp/

4.「介護保険情報」という専門誌でも記事を書かせていただきました。
 元々は、高齢者福祉は専門外だったのですが、ぼくの中では、気候変動問題という外部の問題と高齢化問題という内部の問題は、将来を考える上でしっかりとつながっています。その意味では、本当に刺激をたくさん受けています。これも、語ると長くなります。
http://www.shaho.co.jp

5.環境エネルギー政策研究所のメールマガジン「SEEN」は、後半、どうにか月刊ペースを取り戻すことができました。少しずつ、引継ぎも進めています。今年は、研究所自身のいいところをうまく人に伝えることに、少しでもお役に立てればいいと思っています。
http://www.isep.or.jp

6.エグゼクティブ向けのフリーペーパー「経営企画ビズテリア」は少しお休み。でも、ニーズはあると思っています。新しい展開に向けて、協力していきたいと思っています。
 ニーズがあるっていうのは、根拠がないわけではないのです。経済の構造が大きく転換する時代に、誰もが解を持っていませんし、その解を得るためにも、あまりにもリソース(知見、経験、技術、その他)が不足しています。では、どうするのか。そこがテーマです。でも、メディアの役割というのは、人と人とをつなぐことだと思っていますし、それは紙でも電子媒体でも直接の面談でも同じだと思います。
http://www.bizteria.com

7.単発の仕事としては、ちばぎん総研が発行している「マネジメントスクエア」というビジネス誌に記事を書かせていただきました。電力・ガス業界の現状と将来についてです。本のサマリー的なところもあります。何より、エネルギー業界は現場にチャンスがあると思っています。人と人がつながる部分です。そういったところを、応援したいとも思っています。あと、こっそり5分間だけ、TBSラジオにも出演しました。
 もちろん、月刊ビミーでの書評も引き続き。別名でトーキングヘッズ叢書というリトルマガジンにも原稿を書きました。お題は笙野頼子に「モテキ」に「海月姫」に「クラバート」に「クレイモア」に・・・。よろしければ、浜松町の名酒センターで飲みましょう。
http://www.bimy.co.jp
http://www.a-third.com/

8.(ここは長いので、とばしてもいいです)今、日本経済は大変なことになっている、と言われています。でも、もうバブル経済は起きません。それを何とかしようとするから、政治家もその人に投票した人も勘違いしてしまうのだと思います。誤解を恐れずに言えば、みんながきちんとごはんが食べられる社会でいいと思うのです。でも、それは決して貧しくはありません。豊かさのコストがものすごく下がっているからです。それは、結果として、金額面では生産性が低いように見えます。また、とりわけ農業の生産性は飛躍的には向上しません。でも、それは本質的には円高にはなるはずもない経済でもあります。なのに、財源問題を気にするほど、円の価値は不当に高いままになってしまいます。
 たとえば、高齢化福祉について、財源を気にするべきではないと思います。それは、弱者がごはんが食べられない状況のまま、円を持っている人の資産が守られるという構造とつながるからです。円が安くなったら、相対的に原油価格は上がります。でも、それをクリアする技術を育て、社会を構築することができると思っています。
 考えてみれば、農業の生産性は決して低くありません。数%の人のはたらきで、みんなごはんが食べられるのですから。そのために別のことに時間が使えます。それを、お金には換算できないことにも使い、人と人のつながりのなかで助け合っていくというのが、「新しい公共」だとも思います。
 飛躍するようだけど、昨年末のCOP16、今年のCOP17、そこで問われるのは、京都議定書延長といった瑣末な話ではなく、どういう社会をつくっていくのかという問いに、ぼくたちはどう答えるのか、ということなのだと思います。その答えなしには、誰も日本を相手にしません。日本の社会も、誰が政権をとろうと、何も変わらないし、変えられません。答えを持っている政治家でも、人々がその答えに納得しなければ、勘違いした政治家と同じです。
 そうした中で、仕事をしているのだと、ぼく自身は考えています。

9.ということで、おかげさまで、昨年はどうにか、仕事が途切れずに、続けていくことができました。今年は昨年以上に、より質の高い仕事が展開できれば、これに勝ることはありません。
 今年も昨年以上にたくさんお世話になると思います。どうかよろしくお願い申し上げます。

HP http://homepage3.nifty.com/tenshinokuma/
Blog http://d.hatena.ne.jp/tenshinokuma/
Twitter @tenshinokuma