沼上幹の本を読んでいる。なかなか、整然とまとまっていて、いい本だって思う。
戦略理論の分類から実例まで、教科書的というか。
ただし、あるていど、経営戦略の本を読んだというような素養がないと、すんなりと頭に入ってこないかもしれない。
ミンツバーグなり三枝なりドラッカーなりを何となく読んでおく、ということが前提。
一般的には、第三部の実例から読むと楽しいと思う。理論は、ちょっと読み進めるのは楽じゃないし。モスバーガーやアスクルとコクヨの戦略などの方が、実務家には役立つ。そのあと、第一部で理論付けを学ぶという順でしょう。
なお、ぼくは第一部から読んでいる。
戦略は5つに分類されているけれど、中小零細企業にとっては、ポジショニング・ビューとリソース・ベースド・ビューの2つが基本となる。大企業と異なり、計画重視とか事業部長の権限の重視といったものが、あまり使い道がない。
そして、この2つが矛盾しないことも大切。ビジネスが成り立つポジションを模索することと、それを実行できるリソースが社内にあることというのは、両立させないと意味がないから。
今、仕事をしている業界紙でも、ポジショニングというのは理解しているし、それをどこに持って行きたいかというのもある。方向はいくつもあるけれど、リソースが限られているので、できることも限られている。
それから、業界のリーダーはそれゆえに新しい環境への対応が遅れるから、チャレンジャーはそこをついていくことができる。アスクルとカウネットの差、ですね。だから、チャレンジャーの会社は内部に目を向けていてはだめなんだけど、なかなかそうもいかないという現実もある。とはいえ、エネルギー業界誌のリーダー企業は、確かに内部調整ができていないので、右肩下がりにあるということも、見えているんですけどね。
写真は、今日の昼食。慈恵医大の近くの中華料理屋でエビチリを。
アーシュラ・K・ル=グゥインの「ラウィーニア」(河出書房新社)を買った。