憲法記念日は雨

tenshinokuma2008-05-03

休みなのに、雨。
昨日はさほどでもなかったというかほとんどくもりだったので、息子は遠足に行けたらしい。行き先は近所の公園(といっても十分に広い)だったけど、楽しかったみたいで、それにけっこう疲れて早く眠ってしまった。
今日はもう少し降っている。このままだと、1日中、ウィザードリィということにもなりかねないな。

今日は憲法記念日。考えてみると、昭和の日が近くにあるっていうのは、皮肉なことかもしれない。というのも、このあいだ書いたように、昭和時代という言葉は、二つの憲法のそれぞれの時代にまたがっており、その憲法の持つ意味の違いを歴史認識として無効にさせるはたらきを持っているからだ。

マイケル・ムアコックの「秋の星々の都」(ハヤカワ文庫)を読み終えた。面白かったかと言われると、そこまでは、とは言いたくなるのだけれども、フォン・ベックのシリーズが何を意図していたのかというのはよくわかる。歴史の中において、大きな争いがある時代がある。それがここではフランス革命であり、その痛みを持つ世界を救うために、聖杯が求められる。それは、ジェリー・コーネリアスと基本的には変わらない。そしてその痛みこそ、根源的なもの、堕ちた天使の存在によって、世界は秩序の中におさまりきれない、混沌というものなのではないか、と。
ムアコックが永遠の戦士叢書の第一巻にフォン・ベックを置いたのは、ルシファーの存在が根源的な問題のありかであること、現実の歴史にリンクした物語であること、ということなのではないか、と思う。ヒロイック・ファンタジーを差し置いて、歴史改変小説を置いたというのは、そういう意図なのだと思う。