こちら葛飾区水元公園前通信693

tenshinokuma2007-03-28

 最近、わけあって、元ル・クプル藤田恵美のCDを聞いています。スタンダードナンバーをアコースティックギターで歌っているっていう。好きなシンガーはエディー・リーダー。なるほどって思います。日本よりもアジア全体で売れている、とか。

 このあいだの日曜日、ひさびさにボウリングをしてしまいました。毎度のことですけど、子ども会のイベントです。アベレージは100、なんか、ダメですね。
 ボウリング場のそばにカラオケ屋があって、ぼくの誕生日には子ども達と入ったのですけれど、すでになくなっていました。移り変わりが早いです。

 えーと、出版プロデューサーとしての契約の話がようやくまとまったので、報告しておきます。前々から、フリーでライターだけやるわけではないというようなことを言ってきましたが、とりあえず、メインの仕事というのはこれになります。
 そんなわけで、今年は環境関係の本を作っていくわけですが、その他にもSF関係も考えています。いろいろあって、SFを出す側になってしまいました、というところです。
 ライターの仕事は、もちろん続けます。
 マージナルなところで仕事をしていく、というスタイルでいきます。
 ということで、よろしくおねがいします。

 月曜日、ある取材で老人施設のスナップ写真をいろいろ見ました。まあ、今回がはじめてではないのだけれども、とても不思議な気がしました。
 こうした写真が残ったとき、それは誰が見るのだろうって。家族は、見るかもしれません。おじいちゃん、おばあちゃんはグループホームでこんなに笑顔で過ごしていたんだよって。でも、10年後はおそらくはいないだろう人たちの姿が残る、それも家族の中ではなく、というのは、その画像が残るというのは、何なのだろうって。
 子どもの写真を残すって、すごくわかるんです。将来、こんな子どもだったんだって見ることができる。若いときの自分の写真も同じですね。結局は自分という文脈の中で見る。でも、高齢者の場合、それは自分の外に向けて、記録が投げ出されてしまう。家族がいないのであれば、それはどこかに投げ出されたままになってしまうのではないか。
 そう考えたとき、行き場のない写真というのが、すごく不思議だったんです。

 そんなわけで、取材の帰りに、また銭湯に行きました。今回は港区芝5丁目にある万才湯。繁華街・商店街の中にある小さな銭湯です。カランも20くらい。とりたててたいした設備もないところです。真ん中の洗い場には鏡もないし。
 お湯は温度計を見ると35℃となっていたのですけれど、これは大嘘です。ちょっと熱めなので、けっこう水でうめてしまいました。
 壁には何の絵もなく、殺風景だなあって思って、浴槽に身を沈めたのですが、入り口の方を見てびっくり。そちらにはレインボーブリッジの絵がありました。なるほど、お風呂に入っているとき、どっちを見ているか、を考えると、そちらに絵があるっていうのは、アリだなあって思うのでした。

 パオロ・マッツァリーノの「つっこみ力」(ちくま新書)を読みました。面白かったけれど、「反社会学講座」ほどのインパクトはなかったです。でも、出版のスタイルや出版社のちがいもあって、一番売れる本になるんだろうな、とは思います。
 データなんてどうにも読めるし、だからつっこみができるという、そういうことです。「反社会学講座」では、少年犯罪が増えているという主張に対し、つっこみを入れていましたし、それはすごく正しいつっこみでした。
 でも、本書ではつっこむことについては書いてあるけれど、新しいネタは少ないよな、というところです。でもまあ、自殺と失業率の関係っていうのは、まあ、そうかなって思いました。自殺の最大の理由は健康だし、一昨年、秋田で開催された学会を取材したときも、そういう話は聞きました。では、経済的理由による自殺はというと、経営苦と住宅ローンの支払いという。後者はわからないでもないんです。死んでしまえば保険によって住宅ローンがちゃらになってしまい、とりあえず家族に家は残せる、という。でも、欧米では住宅そのものを担保にお金を貸しているし、だから金利しか払わないっていうケースもあって、それは住宅を再び売却することでローンが返済できるというしくみ。日本の場合、住宅ではなく借りる人の支払能力に対してローンが組まれるので、こうした悲劇につながる、とも。
 まあ、日本は土地至上主義みたいなのがあったり、マイホーム購入が夢だったり。買ってしまった自分をタナに置いて言うのもなんですが、よほどのことがなければ、買う必要はないと思っています。転勤だってあるだろうし、高齢化して住み替えたくなるかもしれないし。ぼくは今の地域が気に入っているということと、金利がものすごく低かったのでっていうのは、買った理由としてあるわけですが。おかげで、住宅ローンに縛られているんですけれども。

 うちの息子は最近のくちぐせは「なんでやねん」ですから、つっこみ力は鍛えられています。娘ももちろん、英才教育してます。