こちら葛飾区水元公園前通信678

 娘の血液検査をした。血液型とアレルギーの検査である。
 血液型はABであった。ぼくがBでかみさんがA、息子がOなので、うちでは4人とも血液型がちがうことになる。
 さて、アレルギー検査なのだけれども、ハムスターにアレルギー反応がないということがわかったので、早速かみさんと子供たちはハムスターを買いにいった。ジャンガリアンとそのバリエーションのパールホワイト、2匹とも雌。しばらくは子供たちは、「かわいい」ということで喜んでいるのだけれど、面倒をちゃんとみてくれるかなあ。
 ハムスターがほんとうにかわいいのは、これからきちんと世話をして、慣れてくる頃からなんだけどな。

 そのあと娘とかみさんはカゴメ料理教室へ。応募したら抽選で当たったとか。1500名の応募から30名ということで、無駄に籤運を使っているのかもしれないけれども、まあいいや。
 その間、ぼくと息子は葛飾区国際交流フェスティバルという催しに足を運んだのであった。けれども、息子はすぐに飽きてしまった。
 ウィーンと葛飾区は友好都市だとか。1986年、国際線の飛行機の中で「男はつらいよ」を見た当時のウィーン市長が、柴又とウィーンが似ている、ドナウ川と江戸川が似ていると感じたことがきっかけだとか。ウィーンにはカツシカ通りというのまであるらしい。
 という展示をぼくが見ている横で、息子はココアを飲んでいるのであった。

 河合香織の「セックスボランティア」(新潮文庫)を読んだ。
 障害者の性というのは、QOL(クォリティ・オブ・ライフ)の上で不可欠だと思う。けれども、じゃあそれをどうやって担保すればいいのだろうか。障害がなくても性生活がない人っているわけで、そういう人と比べてどうなのか、ということはさておいて。でも、考え出すときりがないので、それはトーキングヘッズの次号で(って、原稿の締め切りが近いぞ)。

 夕べの友人との会話。
 結論は、日本は60年間戦争がなくって平和ボケをしているのではなく、本質は外交をしてこなかったので、外交ボケをしているということ。

−最近、組合をやっていて、「憲法改正反対」とか、そういうことで投票できるのって、幸せだと思うようになってきた。沖縄県知事選でそう思った。みんな利権とか明日の生活があって自民党に投票するし、普天間基地問題はそういうことでは争点ではなかった。
−でも、それって、55年体制を支えてきたことと同じだよね。滋賀県知事選の場合、新幹線の駅に反対して当選したのだけれども。でもまああの場合、駅そのものが経済的効果がマイナスということがあったからかな。
−糸数候補も基地をなくしたあとの振興案を出すべきだったのでは。
−まあ、そうだよな。でも、だからといって、今の流れは止めなきゃいけないんだけど。
−組合としては民主党を推すのだけれども、どうしても矛盾が出てくる。いっそ、民主党の左派は社民党に戻ってもらった方がすっきりする。
−でもそれじゃ、小選挙区制で勝てないよ。左派の議員だってそこに利権があるから、民主党を離れられないよ。でも、それは悪いこととは言いきれない。組合だって利権団体なんだし、そこは出発点として自覚しないといけないって思っている。もちろん、社会的正義もすごく大切なのだけれども、というかそれがないと支持はひろがらないのだけれども、それって企業のCSRと同じようなものだっていう開き直りだって必要なんだと思うな。
−それはその通りだと思う。でも、すっきりしないな。小選挙区制になったことで、候補者というか対立する政党の主張が似てきた。ドイツなんかもそう。これじゃ選択肢がないよ。
−イギリスもアメリカもそうなっているね。だからこそ、ぼくは民主党の中で左派が力を持つこと、その方向をきちんと支持していくことが大切だと思う。真ん中に寄った政策というのが、その真ん中がどんどん右に引っ張られている。それを戻さなきゃいけない。それがなされてこなかったということが問題。
−でもやっぱり、みんな社民党に戻って欲しいな。
普天間基地問題に戻ると、どうもアメリカは実は沖縄から出ていきたいっていうのが本音みたいだ。
−そう、かつてフィリッピンから出ていったときも、形は追い出されたものだったけれども、実はそうではなかった。次は韓国から出ていく。次は日本。
アメリカの基地がなくなることって、ウェルカムなはずなんだけれども、そのことによって、国防の議論が出てくる。そうしたときに、そんなものはいらないんだよ、っていう言論が形成されなきゃいけない。でも、それがない。そこが大きな問題だと思う。
−そうなんだよ。今の日本は国を守るために、軍備があればいいっていう発想しか持てない。日本は戦後60年間、戦争をしなかったというすばらしい国なのに、それで平和ぼけをしてしまったということになっている。
−でも、本当はそうじゃない。安保体制の中でまともな外交をしてこなかった。だから外交によって紛争を回避するということができない。おかげで、北朝鮮にまで「どうせアメリカにくっついてくるんだから、6ヶ国協議に出なくていい」とまで言われてしまう。外交ボケだよね。
−確かにそうだ。
−もう一つ大切なこと。戦争をしなかったっていうけれど、戦争には組みこまれていたという自覚がないよ。朝鮮戦争ベトナム戦争がどれほどの経済的影響を与えたか。朝鮮特需ってあったわけだし、その自覚ってないよな。それがないまま、日本は平和でしたって言うのって、なんかおかしい。

 というわけで、教育基本法改正案は参議院に送られているし、憲法改正もその前段階の国民投票法が進んでいる。でも、それらは改正されるべきものではない。というか、その理念を後退させるべきではないのだけれども。
 教育基本法の改正では「不当な圧力に屈しない教育」っていうのがあって、これは組合(死に体の日教組か)を想定しているらしい。でも、それって政府や自治体の不当な圧力っていうのは想定されていないのだろうか。日の丸・君が代問題で起きていることって、そういうことだし。今のままでは、例えば「正しい歴史を教えよう」と教師が考えても、それは不当な圧力であって、それに屈しない自治体の教育委員会が、「もっと国を愛せるような歴史を教えなさい」と指導することになるのでは。

 とまあ、いやな世の中なのである。
 せめて、ハムスターで癒されたい。