こちら葛飾区水元公園前通信787

tenshinokuma2012-03-30

 どうも、です。787って、またなんだか、最新の旅客機みたいですね。
 3月が終わるということは、年度が変わるということですね。
 まあ、いろいろ変化はあるかもしれませんPTA会長として、卒業式と入学式を迎え、娘は新しい学校に通うし、とか。息子も進級するし。
 変わらない部分もあるわけですけど。

 まずは、業務連絡。花見の予定は、未定です。某氏の都合で決まります。ということで、決まり次第、連絡します。7日(土曜日)ぐらいになるのでしょうか?

 前回、予告したように、ラスベガスに行きました。そこまで行って、カジノには行きませんでしたけど。ばくちの才能、ないし。そこはストイックに。
 仕事だったので、ゆっくりしたというわけじゃないのですが。それでも、一緒に行ったITジャーナリストの人たちは、取材してはホテルの部屋で原稿書くといったことをしていて。それよりは、ましだったかな。
 IBMのおさそいで、カンファレンスの取材だったわけですが。アメリカで開催するカンファレンスは、なかなかおもしろかったです。ジェネラルセッション(いわゆる、基調講演というプレゼンテーション)の前に、ナチュラリー7がオープニングアクトで登場するし、マルーン5のライブはあるし、展示会場はレセプション会場になるし、という。IBMの企業価値日立製作所の10倍だそうですから。
 実は、いちばんびっくりした発言は、2015年には、スマートフォンの台数が、PCやタブレットなどそのたすべての合計よりも多くなる、という予測だったりします。たしかに、通勤電車にのると、みんなスマホを持ってるもんな。ただし、スマホで原稿が書けるかっていうと、それはむずかしいので、ぼくはPCを持ち歩いているわけだけど、それは確かに重い。
 でも、PCじゃなくってすむことって、多いし。とまあ、そんなわけです。
 そんなわけで、おいしいものやジャンクなものを食べて帰ってきました。

 何が大変って、往復の飛行機です。成田とロサンゼルスの間は約10時間(帰りのほうが長い)、さらにロスからラスベガスまでは約1時間。この間、何をしていたかというと、サミュエル・R・ディレイニーの「ダールグレン」(国書刊行会)を読んでいました。こういうときじゃないと、厚い本は読めないから。
 知らない人のために書いておくと、サンリオSF文庫があった時代から、伝説の作品で、クソ厚くて難解なので、翻訳は難しいのではないかと言われていたもの。ディレイニーの代表的な作品ではある。
 ということで、最後まで読みました。けっこう、楽しめました。おすすめはしませんけど。
 ピンチョンの作品に接している人にとっては、さほど難解ではないと思います。ストーリーが追えるので。主人公はベローナという荒廃した都市にやってきて、セックスしたり引っ越しを手伝ったり、セックスしたり、詩を書いたり、セックスしたり、といった話。自伝的要素をたっぷりふくんだ、愛と青春と彷徨の書、ということになります。ということを、楽しめるかどうか。ディレイニーのそれまでの小説の中で出てきた概念の背景みたいなものが語られ、それが最後の章になって、混沌としたまま放り出されていく、そんな本です。
 でも、これが当時のアメリカで70万部も売れ、ディレイニー最大のヒット作になったというのは、どうなのか、とは思いますが。まずは、「エンパイア・スター」や「ノヴァ」や「アインシュタイン交点」や「バベル17」を読み、それでもっとディレイニーに関心があるというのであれば、どうぞ。

 今月は番組改編期。ということで、今期の深夜アニメですが、「男子高校生の日常」と「あの夏で待ってる」はけっこう楽しくみせていただきました。もちろん、「夏目友人帳」も。
 「あの夏で待ってる」は、最初はへたれ系の男子のまわりにたくさんの女子がいる、そういうアニメだと思っていました。でも、そんな単純なものではなかったですね。
 「あの夏で待ってる」は、舞台は軽井沢。宇宙からきた少女と男子高校生が恋におちる話なんですけど、全体は、夏休みに撮影される8ミリ映画ということでまとめられています。主人公は宇宙から来た少女を好きになるのだけれども、主人公を好きな少女がいて、その少女が好きな少年がいて、その少年が好きな少女がいて、という玉突き状態。しかも、宇宙からきた少女は主人公の家に住むことになるし、その間主人公と一緒に暮らしていた姉は出張。80年代ラブコメなんじゃないかという。でも、この作品がすごいなって思ったのは、新しいものは何もなくても、微妙にずらしていくことで、見ている人をひきつけてしまうこと。それが、徹底して中途半端なSFの設定だったり、裸族だったり、宇宙からきた少女のファッションや学年の設定だったり。何より、8ミリ映画というもはや失われたものが使われているという。少女のデザインも、水着の描き方も、妙なこだわりを感じてしまうし。
 このアニメは、他の深夜アニメがそうであるように、すでに高校生活を終えてしまった人に向けて製作されたものだと思います。だから、失われた8ミリ映画が出てきます。それはアイコンだと思うのです。
 80年代風ラブコメといえば、その通りです。けれども80年代はそれをずっと続けることができました。「うる星やつら」はその典型です。けれども、「あの夏で待ってる」はそうではありません。だから、わずか12話で完結させます。その中に、変化球を投げ込み、あるいはSFとしてはおかしいだろ、というようなものを挿入していきます。それは、つっこみどころ、というやつです。でも、そこでつっこむのは野暮というものです。そういうつくりなのです。そのぐらいしないと、元高校生は恥ずかしくてみていられないようなラブコメです。
 けれども、そうした設定のおかげで、元高校生は、こんな高校生の夏休みを過ごしたかったかな、などと思いながら楽しむことができるというわけです。クラスメイトと海に行きたかった、とか。それが、ひと夏というわずかな時間だったからこそ、なおさらなのですが。
 ヒロインが宇宙人だと知っても、だれも驚かない当たり、どうなんだよ、と思うくらいのものなのに、ストーリーはきちんと進んでいきます。つっこみどころがあるから、距離が保てるのかもしれません。

 「男子高校生の日常」は、こうだったらいいのにな、という高校生活ではなく、実際のところ高校生のときはこのくらいおばかだったよな、ということを思い出させてくれます。そういった中で、安心して笑える作品でした。
 まあ、「銀魂」のスタッフが政策しているので、まあ、それだけでノとしては十分だし、うちの息子もけっこう好きみたいだし、という。
 まあ、実際に、高校生はバカです。だから、「あの夏で待ってる」みたいな高校生活なんて遠い話だったりします。
 とまあ、そういうことで十分にいとおしい作品なのですが、さらに女子が徹底して萌え要素が排除されているっていうのもすごいです。「女子高生は異常」ですし。

 結局、高校時代の理想と現実のはざまで深夜アニメを見ていたというのが、実際のところなのでしょう。

 4からのアニメですか? 未定です。

 えーと、卒業式や入学式の話は、また後日。