こちら葛飾区水元公園前通信897

 おはようございます。

 もう9月ですね。さすがに夜は涼しくなってきました。

 

 8月は山には行きませんでしたが、そのかわり海に行きました。

 毎年、葉山で潜っているのですが、今年は2回も行ってしまいました。というのも、最初に行った日は、台風の影響で波は高いし水は濁っているし、とても泳げる状況ではなかったので、ビールを飲んで帰ってきてしまったのですが、そのリベンジとしてもう一度行ったというわけです。

 大きなボラをはじめ、いろいろな魚を見ながら泳いできました。お盆過ぎでしたが、波も低く、まあ満足です。

 

 8月最後の3日間は、韓国のスタートアップのアテンドという仕事でした。日本企業との商談をセッティングし、連れていくというものです。

 まあ、通訳はいるのですが、相手は韓国語と、それから英語が少し。

 せめて、英語で多少なりともコミュニケーションできるようにしておこうと思って、頭の中の英語のスイッチを入れる準備をしていました。

 ということで、何をしていたのかというと、ずっとペーパーバックを読んでいました。

 ジュディス・メリル編「England Swings SF」というアンソロジーです。

 1966年に刊行されたこのアンソロジー、ニュー・ウェーブSFがたくさん収録されています。

 メリルといえば、創元推理文庫(まだSF文庫じゃなかった頃)の「年間SF傑作選」というアンソロジーがありますが、原著で1から12、邦訳だと6から12が出ています。年を追うごとに、とんがった作品になっていき、12に相当する「年間SF傑作選7」は、原題は「SF12」で、すでにベストではなくなっています。その次に出たアンソロジーが本書で、メリルの最後のSFアンソロジーということになります。

 

 読んでいて思ったのは、ニュー・ウェーブという以上に、スペキュレイティブ・フィクションのショーケースだということです。思弁小説っていう訳語もあるのですが、なんかカッコ悪いですね。

 で、どういうことかというと、サイエンス・フィクションというとき、サイエンスという視点からある仮定を持ち込み、それを軸に展開していく、というのがざっくりとしたSFだと思うのですが(まあ、そんな単純なものでもないのですが)、そういう点からすると、スペキュレイティブ・フィクションではある仮定を通じて、人の存在そのものを深堀していくっていうのでしょうか。

 代表的な作家が、J・G・バラードで、インナースペースって、こうだよね、ということが鋭い切れ味で描かれています。

 まあ、読むといっても、日本語で読める、ムアコックの「山」とかパメラ・ゾリーンの「宇宙の熱死」、バラードの作品なんかはとばした上で、読み終えたというところですが。

 

 そんなこんなで、あまり日本語の本を読まなかったのですが。

 かわりにマンガ。

 秋本治の「いい湯だね!」の2巻が出ました。完結です。主人公は日系ブラジル人の女性、舞台は東向島の銭湯。

 妻に先立たれて、息子と父親を銭湯の実家に残し、ブラジルに渡った先で結婚した相手が主人公。一人で日本に来て、銭湯を切り盛りし、繁盛させるというストーリーですが、そこは秋本治ですから、どんどん脱線していきます。ブラジルで銭湯を開業し、息子と祖父がブラジルに行っている間は24時間営業の無人銭湯となるなど、「こち亀」のノリですね。

 あと、同じ秋本治の「ミスター・クリス」の7巻と8巻も。秋本治は元気です。

 

 夏休みらしい休みというのはなかったのですが、しもだて美術館江口寿史展「彼女」をやっているので、観に行きました。

 もともと、実家のお墓が下館からそう遠くない、栃木県真岡市の久下田にあるので、ついでにお墓参りしてくればいいや、くらいで。

 下館は、うちから行く場合、関東鉄道常総線が便利です。高いですが。まあ、1輌編成のディーゼルカーに乗っていきます。お墓のある久下田まではさらに、真岡鐡道の1輌編成のディーゼルカーですが。

 「彼女」は、なかなか面白かったです。理想的な場面切り取って、イラストとして定着させる。江口のイラストそのものには、付け加える言葉はなにもなく、なんかいいよね、という。

 

 そうそう、電車の中で資料を読もうと思って、金町から亀有まで、常磐線水戸線両毛線八高線横浜線東北線、と乗り継いで、再び常磐線で移動しました。一日電車に乗っていると、けっこう資料が読めますね。でも、車窓を楽しまなかったので、まあ、何ですね。

 

 とまあ、そんなこんなの8月でした。

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