こちら葛飾区水元公園前通信853

 おひさしぶりです。
 もうすぐ、桜が咲きます。そうしたら花見をしましょう。
 といっても、桜がいつ咲くのかわからないので、花見も未定ですが。3月25日あたりにできるといいなあ、と思っています。それか、4月1日かな。

 高血圧治療の話の続き。
 先日、管理栄養士の指導を受けました。
 できることしか言わない人、というのが、ぼくの主治医の紹介。実際に、そうです。
 注意することは3つ。
 まず、悪玉コレステロールを下げるために、野菜をたくさん食べること。くだものは糖分が多いので、あくまで野菜。
 空腹時の甘いものは、血糖値を急激に上げるので、膵臓に負担がかかるのでだめ。糖尿病につながる。
 それから、運動をするか炭水化物のカロリーを少し減らす。それで、1カ月あたり1キロの割合で体重を減らす。リバウンドするくらいならやせないほうがいい。リバウンドは筋肉が減って脂肪が増えるので、むしろ悪化になる。
 とまあそんなところ。空腹時の甘いもの禁止というのは、けっこう重要な指摘だな。
 お酒はどう? って思われるかもしれないけど、そこは問題なし。実は、平日は基本お酒を飲まないし、休日もビールのロング缶2本というのが標準なので。
 4月からは、トレッキングとか、しようと思っています。基本的に、ソロで行く人なので、誘うことはないですが、悪しからず。

 村上春樹の「騎士団長殺し」(新潮社)を読み終えました。でも、あんまり書くとネタバレになるなあ。
 そんなわけで、来月くらいになったら、あらためて書きますが。ひとつだけ思ったことを書いておきます。読むときの参考になるかな、ということで。
 「海辺のカフカ」以降の村上の小説の主人公って、村上の子供(仮にいたとして)の世代だっていうこと。そこから再び、年齢が上になって、少年だったものが、今回は30代。
 で、これが、村上の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を書いたときの年齢と一致する。それは、40歳の前に、何か仕事をしておきゃなきゃ、という、そういう年齢。今回は、その時期の村上が主人公に重なっている気がします。

 他にも、けっこう小説を読んだな。
 エリック・ファーユの「エクリプス」(水声社)は、北朝鮮による日本人拉致事件とか大韓航空爆破事件が扱われている。ファーユはもともと、日本の事件をモデルに小説を書いたり、日本に関するエッセイもある人なんだけど。当事国ではない人によって語られると、何か、ニュートラルにこの事件を見ているような気がします。
 ただし、事件が事件だけに、小説としてふくらんでいくものが少なかったかな、とも。多くの拉致された人などを描くだけで、手一杯になっちゃった、というところがあるかな。「長崎」の方が、いい作品だとは思う。

 ということでは、マリーナ・ペレサグアの「リトルボーイ」(水声社)も、表題作は日本に関係しますね。リトルボーイというのは、広島に落ちた原子爆弾の愛称。主人公の女性が、少女時代の被爆によって子供を産むことが永遠にできなくなってしまった老女と重ね合わせる、そんな作品。不条理な暴力というものが、いつも何かを奪ってしまう、原子爆弾という象徴が、そのことを示している、というような感じでしょうか。
 ほかにも、生死をめぐる奇妙な短編がたくさん収録されていて。おすすめです。

 笙野頼子の「ひょうすべの国」が、急に読みたくなって。なんだか、読んでいて、「皆勤の徒」のような感触だったんだけど、それってどういうことかっていうと、現在の日本をちょっとずらすとあんな世界なんじゃないか、というくらいのこと。
 ひょうすべっていうのは、表現が全てであるとどうじに、九州の妖怪。
 まあ、全てである表現というのが、実際には、Post Truthみたいなことになっている、というあたりかな。
 笙野がこの作品を書いている時期は、TPPが議論されていた。TPPによって、貿易を自由化してしまえば、その国の人々を守るものはなくなる、というか売られるようなもの。という認識で、異様な世界が成立していく。
 笙野は、TPPに反対すべく、書店に置くプラカードとしてこの本をつくった、といったところもある。戦う作家は、文壇の体制に対しても、政治に対しても、戦うのである。

 森友学園の問題が、毎日、報道されていて、つい見てしまう。まあ、いろいろ出てくるのでおもしろいって思うんだろうな。でも、冷静に考えると、ここに子供を通わせるのって、虐待だよな、とも思うよ。それほど、この学園に「狂気」を感じる。そして、今の政府の閣僚は、この「狂気」を理想だと考えているということなんだよな。
 もっとも、こんな事件でしか、安倍政権を追いこめないっていうことも問題だとも思う。だって、国有地払い下げ問題というところになってしまうと、政治的な思想ということとは別の問題だから。国粋主義政権は異常であり、多少の困難を抱えていても民主主義を進めていくことが重要なんだ、っていうような政治思想は忘れられたままになってしまう。
 今年の夏、都議選があって、小池対自民党みたいなことになっているけれど、結局のところこれって、自民党が分裂して戦っているだけのこと。小池という政治家は、中味がからっぽだと思っているのだけれども、彼女がある部分でマシなのは、からっぽゆえにそのときに票に結びつく政策を実行するということ。もっとも、逆に言えば、重要だけれど票に結びつかない政策は実行しないっていうことだけど。
 安倍晋三ほど頭が悪いわけじゃないってなところかな。
 そんなわけで、都議会民進党小池都知事と無理に仲良くしなくていいから、とも言っておきます。是々非々で。

 夏目漱石原作、近藤ようこ画「夢十夜」(岩波書店)は、なかなか心に滲みる作品です。じんわり、と。この本をおすすめしたところで、今日はこのあたりで。